国境なき記者団:シンガポールに報道の自由はない
【大紀元日本5月7日】「国境なき記者団」は4月28日、米国留学中の陳家豪氏(シンガポール出身)がシンガポール政府からの圧力によって、同氏のブログ(※1)を閉鎖せざるを得なくなったと報道し、政府からのこうした圧力によって、自由に情報を発信するブログを既成のマスコミと同じようにシンガポール政府の代弁者にしてしまうと危惧している。
陳氏はブログ上で、シンガポールの政治情勢とシンガポール経済開発庁のヨウ・フィリップ長官が主宰するA*STAR奨学金制度を批判してきた。しかし、ヨウ長官から、自身及びA*STAR奨学金制度に関する記述の削除を求める電子メールがこのほど届いた。長官はメールの中で、削除しなければ法的手段も辞さないという強い姿勢を見せた。
「国境なき記者団」は、長官が名誉毀損罪で陳氏を提訴することは、批判を圧殺する最も有効な方法であると酷評した。「国境なき記者団」がまとめた全世界の言論自由に関する報告書によると、シンガポールは下から20番目の報道の自由のない国(※2)である。「国境なき記者団」は、報道の自由のない国でのブログの普及を強く支持している。なぜならば、ブログは自由に情報を伝えることができるからである。
現在、陳家豪氏は既にブログを閉鎖。シンガポールに関する、ほかのブログも相次ぎ閉鎖された。
(記者・韓ケツ)
※1 ブログ(Blog)とは、日記形式のホームページ。2001年9月11日の米国同時多発テロ事件をきっかけに、新聞やテレビなどでは報道されないローカルな生の情報をやりとりできたことから、爆発的に増えた。インターネットのアクセス・サービス会社が無料で提供し、誰もが手軽に作成できる。
※2 国境なき記者団2004年報道の自由国別ランキング(http://www.rsf.org/article.php3_tong_id_article=11715)によれば、167カ国中147位