【大紀元日本8月19日】「人気商品」「人気株」。流行語に疎い中国人なら、日本語のこのことばを見てもきょとんとするばかりでしょう。なにせ、中国語の『人気』に「人気」の意味はない(正確には、なかった)のですから。
以前このコーナーで扱った『元気』が本来、「万物が生まれ育つ根本となる精気」、つまり「元の気」のことだったのと同じく、『人気』も「人の気」、つまり「人の生気」だとか「人の気配」の意味で使われてきました。ところが、つい最近になって、『人気』が「人気」の意味を持つようになったのです。
日本語の「人気」も本来は、「人の生気/気配」の意味で用いられていたのですが、いつの間にか、「世間一般の気受け」の意味で使われるようになり、逆に、本来の意味が廃れていきました。
ところで、中国語の『人気』の「人気」の意味は、独自に派生したものではなく、日本語からの逆輸入です。日本の若者文化が香港や台湾で歓迎され浸透していく過程で、このことばも中国語として定着し、次第に大陸にも広まっていったということです。
『写真』や『宅急便』もそういったことばの一つで、これらのことばを見ていると、明治維新のころ日本人が作り出した「経済」とか「社会」といったことばを、当時清国から来ていた留学生たちが中国に持ち帰り、今ではまるで中国語起源であるかのように完全に中国語に溶けこんでいることが想起されます。
(智)
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