中国の水質汚染、都市の約六割が水不足

【大紀元日本11月30日】中国水利部の関係者によると、中国では水質汚染が深刻なため、都市の約6割が水不足に陥っており、都市の約100箇所で、工業生産と住民の生活に支障が出ているという。

BBCの報道によると、中国の都市部で消費される一人あたりの平均的水量は、全地球基準の三分の一にしかすぎず、それも目下漸次減少しており、中国都市部の三分の二は、水不足に陥っており、農村人口の多くがきれいな水源を欠いている状況だという。長江流域の都市で、飲料水に困る都市は大小含めて500箇所に上る。

長江流域水資源保護局・翁立達氏によると、「長江下流の上海市では、飲料水に適する地表水は1%にしかすぎず、劣悪グループに入る水は68.6%に上る。無錫市内で基準に適合する地表水を見つけるのは難しい。長江中下流で、水が飲めない状況は普通になっている」という。

最近の調査によると、抽出した検査標本の95%から汚染が確認され、水質の劣悪さが浮き彫りになった。中国人民の数千数万人が有害な化学物質を含んだ水を飲んだために種々の疾病に悩まされている。「中国日報」によると、これらの汚染水を飲んだ中国人200万人が疾病にかかり、その中には癌患者も含まれているという。

中国では、毎日のように新しい地区で環境汚染が原因で健康問題が生じ、マスコミに「癌発症村」とのレッテルが張られているが、これは別に誇張した表現ではなく、正しい真相報道だ。現実に、天津近郊の村数箇所では、癌の発症が確認されている。

中国では、都市の250箇所で酸性雨の現象が認められており、多くの河川の源流でも水質が大きく変化してきている。現在の中国では農民の約四億人が、水質汚染により毎日の飲料水にも困る有様だ。都市でも、状況は一様に厳しい。これは、地下水を唯一の水源としているからだ。

11月21日正午頃、黄河蘭州段黄河大橋以南の下水溝から正体不明の汚水が黄河に流れ込み、水面を朱に染めた。10月22日にも、蘭州市南ピン河路体育公園付近の黄河で、汚染のために水面が真っ赤になり、市民は気味悪がった。中国の環境汚染は日々と悪化しており、空気汚染と水質汚染は先を争うようにして、中国人の生命を削り取っている。

2005年11月、中国石油の吉林省化学工場は、爆発事故によりベンゼン100トンを松花江に流出漏洩してしまった。この結果、ハルビン市民300万人超が飲料水に困ったが、当局は真相を10点xun_ネ上隠蔽し続け、海外メディアが報じてからやっと市民が知るに至った。省の環境保護部長と会社の幹部は、行政処罰を受けたものの、刑事罰にはならなかった。

水質汚染は、工業化を目指す中国にとってますます深刻な問題となっている。45億万トンもの処理されない汚水が直接、河川と湖畔に流入して水源に影響を与えている。中国の官僚も、全国の河川湖畔70%がすでに汚染されていると認めている。中国環境保護機構の関係者によると、中国の環境危機はすでに相当程度危険な領域にあり、政策の過ちと管理不良と、中国のここ数十年の高度経済成長は、中国の環境に深刻な影響を与えているという。

国連は11月21日に「地球環境10か年計画」を発表し、現在水不足で悩む人口10億人を半減させる意向だという。国際的に著名な大気化学の専門家の一人は、「中国は即刻に環境問題に着手しないと、手遅れになり、後の祭りになる」と警鐘を鳴らしている。

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