EU 情報社会メディア委員会、新唐人衛星信号切断問題に質疑

【大紀元日本8月30日】欧州最大手衛星企業ユーテルサット社(本社・パリ)=以下、ユ社=と、華人向け中国語放送をする新唐人テレビ(NTDTV)局との間で2カ月にわたり、中国大陸向けの衛星信号切断の争議が白熱化している。それについて欧州連合(EU)執行委員会スポークスマンは、このほどEU情報社会メディア委員会(EU info society media commission)の執行委員・ビバネ・レディン氏が「詳細を知りたい」と言ったことを明らかにした。これまでに、ユ社は中国政府の圧力を受けて新唐人の衛星放送を中断したと思われる。

24の衛星を有しているユ社は有料の形で信号を送信している。今年の7月31日にユ社は2008年上半期の財務状況を発表し、今年中にさらに3~5つの衛星を打ち上げることを明らかにした。現在、全世界の40%の衛星製造および運営企業は欧州にある。

ユ社のジャーン・ポール・ブリラウド副総裁は、記者に対して自社が素晴らしい経営成績を遂げたため、特に新興市場が健全で繁栄していることから、ユ社は2008年から2011年の間に年間売り上げをさらに6%アップする計画を示した。

新唐人テレビはニューヨークに本部を持つ華人向け中国語テレビ局で、特に中国の社会現状、社会問題を掘り下げて真相を探る番組を放送することから、中国当局に目の上のたんこぶとされている。実際、同様に真相報道を行なっている大紀元時報(Epoch Times)および希望の声(Sound of Hope)も中国政府からの圧力および放送の妨害を受けている。

新唐人テレビのスポークスマンは8月21日、ベルギーの記者会見で「われわれはヤフーおよびシスコも中国政府に協力してインターネットの情報を封鎖していることは熟知している」とし、「ユ社も同じことをしている」と指摘した。

今年の6月にユ社が転送器の技術問題で新唐人テレビの放送信号を中断したときに、報道自由を強く主張する国際団体「国境なき記者団(RSF)」および「国際記者連盟(IFJ)」は中国政府が介入しているとみて調査を行なった。その後、RSFが提供したユ社職員の電話録音内容から、ユ社のグリアーノ・ベレッタ総裁が中国当局の圧力を受けたため、新唐人テレビの放送信号を切断する決定をしたことが明らかになった。これによって、新唐人テレビさらに法輪功と無関係の3つの中国語放送局の信号も切断を余儀なくされた。

電話録音の中に、米政府がユ社に対して契約を中止すると脅かした口調での内容の話もあった。実際、7月末、米国際放送管理機構である米放送理事会(BBG)は、ユ社との契約を中止した。現在、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)およびラジオ自由アジア(RFA)はすでに中国政府管轄下のアジア・サット(AsiaSat)に移った。

ユ社は未だに6月から中断した衛星放送が技術問題としていて、技術者も同様な理由でさらなる説明は行なっていない。

8月20日、IFJ秘書長アダム・ホワイト氏は「われわれはユ社がこれ以上、技術問題を口実にして問題を避けるのではなく、自由放送権を放送局に引き渡すべきだ」との声明を発表した。

(記者・安妮、翻訳/編集・余靜)
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