「政治色強すぎ」 大みそかの春節晩会、満足度15%
【大紀元日本2月17日】13日に中国大陸で放映された、大みそか恒例のテレビ番組「春節聯歓晩会」。国営中央テレビの製作で、日本の「紅白歌合戦」に相当すると言われる国民的なこの番組は、今年は、およそ5年ぶりに復活した「中国の歌姫」と呼ばれるフェイ・ウォン(王菲)や、往年の超人気アイドル小虎隊の出演で、注目度は高かったにもかかわらず、観客や視聴者の満足度は例年よりも低かった。特に歌や踊りの他に共産党幹部からの祝辞や、共産党を称える劇など政治的な要素の出し物が多く、視聴者からは批判の声も上がっている。
ポータルサイト新浪ネットのアンケート調査で、14日夜8時時点における12万5千人以上の投票による結果では、「満足」と答えた視聴者は15・4%。45・9%の人が「不満」と答えた。娯楽サイト「騰訊娯楽網」が行ったウェブアンケートでも、「満足」と答えた人は15・2%にとどまった。「上海東方早報」が行ったアンケートによると、視聴者のうち40%が番組の内容に「不満」と回答し、「満足だった」と答えたのは22%。「番組の内容が形式的」「政治色が強い」といった回答が目立ったという。
一方、製作側の中央テレビに所属する「中央テレビ市場研究公司」は春節晩会終了直後に、81・6%の観客は満足しいていると発表した。
「共産党の周囲に緊密に団結、無産階級の旗を高く挙げ…」番組の中のこのようなせりふは、ネット上の批判を浴びている。80年代に始まったこの番組は、新年の雰囲気作りのほか、共産党権威アピールの政治宣伝の要素が強く、それが今年、視聴者の不満を招く主要な原因であった。
そのほか、頻繁に流れる広告と、フェイ・ウォンを含めた歌手の歌声は「口パク」では、という批判も多く聞かれている。
春節聯歓晩会の人気が落ちた原因のひとつに、インターネットの普及がある。一人っ子政策の下で育った「80後」(バーリンホー:80年代以降に生まれた若者)は、形式的なテレビ番組よりも、もっぱらネットの動画サイトやチャットなどを楽しんでいるようだ。毎年、90%以上の視聴率を誇るといわれるこの人気番組も、これからは苦戦を強いられそうだ。