【大紀元日本7月20日】経済不況の中、アメリカでは「タイムバンク(Time Bank)」なるシステムが活躍している。タイムバンクとは、会員がお互いの能力と時間を交換する新しいカタチの互助システムのこと。会員は奉仕作業をする代わりに「タイムドル (Time dollar)」を支給され、貯めたタイムドルで今度は必要なサービスが受けられる。現在アメリカでは数百のタイムバンクがあり、総会員数はおよそ1万5千人を超えるという。
コロンビア大学の教授で弁護士でもある創始者のエドガー・カーン博士は、著書「No More Throw Away People=世の中に役に立たない人はいない」をモットーにしている。タイムバンクの利点は、利用者がサービスを受けられるだけでなく、提供者にもなれるということ。1時間の奉仕作業につき1タイムドルが支給され、貯めたタイムドルで申し込めるサービスは、食事作り・買い物代行・家の掃除・車の送迎・住宅修理など実に様々である。
最近、結婚した28歳のマリアさんは、10年前に設立された米ペンシルベニア州のタイムバンクに加入している。彼女は得意のスペイン語と英語の能力を生かして、病院での通訳やペットシッター、送迎などのサービスを提供し、少しずつ「タイムドル」を貯めてきた。彼女は貯めた200タイムドルを使って結婚式に必要なサービス・メイク・ブライダルケーキ・写真撮影など約2千ドルを節約し、超低予算で結婚式をあげることができたという。
アメリカのメーン州ではギターのレッスンや庭の手入れ、カリフォルニア州ではヘアカット・税務ヘルプ・アロマセラピー、またミシガン州では児童ケア・パイプ修理・ヨガレッスンなど多様なサービスが紹介されている。
タイムバンクによるサービスには税金を払う必要がなく、時間はあるがお金がない人にとって最高のシステム。タイムバンクは多くの人材を必要とし、また様々な課題を克服しなければならないが、地域の人間同士の絆を強めるという大きなメリットがある。タイムバンクの推進により、世界中で「助け合える地域社会」が広がることが期待されている。
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