<全世界華人声楽大会>観客を感動させることが、最も重要―出場者・伊賀美奈子さん

【大紀元日本9月2日】8月21日、米ニューヨーク・マンハッタンのジェラルド・W・リンチ劇場(Gerald W. Lynch Theater)で、第4回全世界華人声楽大会(新唐人テレビ主催)の二次予選が行われ、そのうちの17人が翌22日の決勝戦に進んだ。

日本からは、広島県出身の伊賀美奈子さん(24)が参加。温和な顔立ちをした美奈子さんは日本人と中国人の両親を持ち、3歳の時からずっとピアノを学んできた。ある日、ピアノの先生が彼女に声楽を教えてくれたことがきっかけとなり、声楽を習い始めたという。

高校を卒業後、美奈子さんはエリザベト音楽大学に入学し、声楽を専攻。多国の民族の歌い方に精通している日本人教師から、彼女の喉はイタリアの歌と中国の歌の喉を持っていると言われた。

美奈子さんによると、東洋人は西洋オペラの文化的背景や、その内函を理解しづらいという。日中両国の血をひいている美奈子さんは、中国語の歌曲について、「イタリアのオペラより、とても理解しやすかった」と話す。

2007年、美奈子さんは初めてこの声楽大会に参加したが、いつもの実力を発揮できず、一次予選で敗退した。再び2009年に、同大会に挑戦。この時は舞台の上で緊張することもなく、順調に二次予選へ進んだ。今回の大会では、美奈子さんは「入賞したい」という考えはなく、ただ内心から歌う喜びを審査委員と観客に届けたかったという。

今回の一次予選と二次予選で、美奈子さんは歌えば歌うほど喜びを感じ、状態もますますよくなってきた。「私はただ、歌う喜びを観客に伝えたかったのです。大会に参加する数週間前のある日、突然歌を歌う真の意義が分かりました。それは、観客の前で、自分がとても好きな歌を歌えば、観客を感動させるということ。だから、まったく緊張する必要はないのです。私は歌いながら、今後、永遠に歌っていこうと思いました」

美奈子さんが歌い終わって観客席に戻ると、一部の観客が走ってきて、中国語で「あなたはとてもよく歌ったよ、とてもすばらしかった!」と話しかけてきたという。美奈子さんは、歌に対する彼女の熱い思いが観衆に伝わったのだと話す。「ただこの励ましの言葉だけでも、私は今回、声楽大会に参加した意義がありました」と語った。日本では、大会の最中に観客が歌手を認め、評価することは少ないため、大きく励まされたという。

残念ながら、今回の大会では決勝戦に入れなかった美奈子さん。しかし、彼女の夢はいつか、米ニューヨークにある「神韻芸術団」に入団すること。帰ってから早速、声楽の特訓に励んでいる。

(記者・陳桜華、翻訳編集・李YS)