【大紀元日本9月11日】チャイナドレスという和製英語の名称をつけて、これが中国人の伝統的衣装であると多くの日本人は思い込んでいるらしい。
チャイナドレス(旗袍)は民族衣装の一つではあるが、漢民族の伝統的衣装ではない。英語では「マンダリン・ガウン」と呼ぶ。マンダリンとは「満大人」、つまり満州族の貴人を意味する言葉であるから、こちらはその民族衣装の出自をほぼ正確に伝えていることになる。
ヌルハチを開祖とする満州族の清朝(1616~1912)は、その三百年に及ぶ統治のなかで漢文化に感化される部分も多かったが、やはり主体が征服王朝である以上、当然ながら漢民族に対して支配的な面もあった。
その典型が「剃髪易服」、つまり髪を剃って満州族の風習である辮髪の形にするとともに、漢族の服装を禁止して満州族の服装を強要したことである。このうち、辮髪はよく知られているが、後半の「易服」についてはあまり日本人には知られていない。
漢民族の数千年来の伝統衣装である漢服は、この清朝の支配以降、急速に衰退する。辛亥革命で清朝が倒れ、漢民族による中華民国が建てられたが、もはや20世紀は洋服の時代であり漢服が復権することはなかった。
1949年以降、中国共産党独裁下の中国では、伝統文化とはほど遠い人民服一色に染められ、文化大革命では古いものの一切が否定され破壊された。
また近年、中国国内では「漢服復興運動」なる不可解な現象も起こっているが、その実態は形ばかりで純粋な精神を伴わないため、正統な中国伝統文化の復興とはとても言えない。
これに対し、毎年開催される新唐人テレビ主催の全世界華人コンテストは、全世界の華人が参加して、真に正統な中国伝統文化を復興し、後世の人類に伝えるものであり、その意義は極めて大きいと言えよう。
すでに今年は終了あるいは次年度開催のものもあるが、漢服デザインをはじめ、声楽、ヴァイオリン、ピアノ、中国古典舞踊、中国料理、中国武術、撮影、油彩画の九部門でコンテストがおこなわれる。
本物の中国伝統文化が、ここに甦るのである。
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