中国鉄道部トップ解任 汚職にメス入れる当局、民主革命を警戒か
【大紀元日本2月17日】中国鉄道部(省)のトップにあたる劉志軍部長が「重大な規律違反の疑い」で、12日に鉄道部党組書記を解任された。同氏の解任は鉄道利権をめぐる大規模な汚職事件によるものとの見方が広がる一方、劉氏の汚職問題はかねてから囁かれており、このタイミングでの摘発は、深刻な汚職や腐敗に対する国民の不満が導火線となり、中東諸国の民主革命のように燃え広がることを警戒する当局の思惑があったためとの見方もある。
「北京経済学週刊」前副編集長・高瑜氏は、劉氏の解任は来月3日に控える両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)まで待つのが通常だが、当局が事件の処理を急いだのは現在の国際情勢を睨んだためと分析した。劉氏を処分することで国民の注意をエジプトの民衆運動からそらし、また、腐敗に対して政府がメスを入れているという印象を植え付けることで、両会の無事開催に運びたいと高氏は指摘する。
劉氏は19歳で鉄道部に入った後、瀋陽鉄路局局長、中国鉄道部総調達長や副部長など、鉄道畑でキャリアを積んできた。2003年に鉄道部共産党書記兼部長(鉄道相)に就任。 高速鉄道の建設にあたり、巨額の建設予算を扱い、線路などの場所選定に大きな権限を持っていた。劉氏の弟の劉志祥・元武漢鉄路分局副局長は、2006年に収賄罪と傷害罪で執行猶予つきの死刑判決を受けている。
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