中国人ピアニスト・ランラン、英国コンサートで大失態

【大紀元日本6月4日】中国の著名なピアニスト郎朗ランラン)さんが5月29日の英国コンサートで大失態を演じた。コンサート終了間際に一人の中国人男性が花束を持ち登壇して、1989年中国当局に武力弾圧された「六四天安門事件」の犠牲者を追悼する曲の演奏をリクエストした。それを聞いたランランさんは顔色を変え、慌てて警備員を呼び、アンコールにも応じなかった。同中国人男性は警備員に現場から連れ出された。

 男性の名前は郭俊(音訳)。英国ウェールズの首都カーディフの聖デビットホールで開かれたランランさんのコンサートで、郭さんは許可を得て壇上にあがり、ランランさんにダイアナ元妃の葬儀で演奏された「Candle in the wind」をリクエストした。それを聞いたランランさんはいい曲だと言葉を返したが、男性は続いて「この曲を天安門での武力弾圧でなくなった有志たちの魂に捧げる」と言葉を足した。それを聞いたランランさんは顔色を変え、警備員に男性を舞台から降ろさせた。観衆が一時騒然となった。

 事件後、郭俊さんはメディアの取材に対して、自分は早い時期に上海から英国に移住した華人であると語った。キリスト教徒でもある郭さんは、壇上に上がる際に持っていた白い菊の花束はランランさんにではなく、中国共産党の独裁体制で殺された大勢の中国同胞に捧げる花である、と述べた。

 郭さんは本紙の取材で、「私は最初、ランランさんのコンサートで横断幕を掲げて、『音楽の天才、ホワイトハウスを響かせ、中共に媚を売り、喜んで奴隷になる』との文言を書き入れようとしました。後でこの考えを止めました。彼も大勢の中国人同様に、中共に洗脳、利用されているからです」と語った。

 ランランさんの反応について、郭さんは嘆いた。「彼は真に奴隷になりました。もし、彼があの場でこの曲を演奏したら、彼は本物の中華民族の子孫で、民族の英雄となるところでした。しかし、彼は英雄になれる道を歩まず、奴隷の道を選びました」

 今年1月19日にも、胡錦濤主席を招待するオバマ大統領主催の晩餐会でランランさんが「わが祖国」を演奏したことが話題になっていた。同曲は反米愛国ソングとして広く知られ、ランランさんはこの曲を選んだ理由について、「この曲をホワイトハウスの晩餐会で演奏することは、中国人にとって大変な誇りになると思った」と語った。

 郭さんの話では、コンサートの休憩中に、ピアノの台にランランさん宛の手紙を置いたが、読まれた後に捨てられたという。この手紙はこのように綴られていた。「ランランさん、あなたはホワイトハウスであの反米ソングを演奏したときに、すでに自分の芸術家の歴史に汚点を残しました。あなたはまだ若くて、芸術家としての生涯はまだ長いのです。中国共産党政権が崩壊したときに、国民はあなたの汚点を受け入れますか。中国の観衆に顔向けできますか。再度熟慮してください」

 郭さんは、自分の今回の行動は国際社会に対し、中国の現実に目を向けるよう呼びかけるためでもあると語り、「中国当局は貧困な生活を送っている大勢の国民を顧みず、国際社会に巨額の金をばらまいて浸透を図り、経済的利益をエサに、その深刻な人権状況に対する国際社会の沈黙を買っている」と非難した。

 また、ランランさんのような中国国民の現状について、郭さんは次のように語った。

 

「いまの中国人は、共産党文化に洗脳されて、非常に哀れです。私の家族も例外ではありません。母は若いときに、(共産党を讃える)「忠字舞」を踊らされて、老人になったいまは、社会の繁栄を歌う「調和舞」を踊らされています。母はまさに洗脳された一人です。皮肉にも、私が稼いだ英ポンドで母は生計を立てています。(中略)一部の中国人は本当に哀れです。真実の情報をまったく知らないし、関心すら持っていません。特に若い世代は、歴史も知らず、ただひたすら贅沢な物質生活を追い求めているばかりです。コンサートでの自分の今回の行動は、観衆である大勢の中国人留学生を目覚めさせるためでもあります」

 郭さんは、英国に渡って、まるで別世界に通じる扉を開き、ようやく目覚めたという。「私は大紀元時報や、新唐人テレビ、希望の声ラジオなどの中国当局のコントロールを受けない独立メディアから、中国共産党の歴史の真実を初めて知った」。「大紀元時報に掲載された『九評共産党』を一気に読み通しました。それで、多くの真実を初めて知り、まるで夢から目覚めたようでした」という。

 「『九評共産党』はまるで中共の心臓にぐさりと刺す鋭い剣であり、中国人に歴史の真相を知らせるには非常に重要かつ貴重です。いまの中国人は民族の根を失い、民族の精神を失い、自己の思想を持たず、根本的な自由もなく、ランランさんのように喜んで中共の奴隷と化しています。このような中国人を覚醒させるには、中共の歴史の真実を知らせることが重要不可欠です」

 郭さんはさらに今回の自分の行動について、「私は恐れていない。中共の歴史の真実を知ってから、自分は何をするべきかを悟りました。つまり、人々に中共政権の邪悪さを伝え、内心から覚醒させることです。それが最も威力のあることです」と語った。

 

(記者・梅映雪/翻訳編集・叶子)
 
関連記事
中国共産党とその関連組織から脱退した中国人は、3日までに4億人を超えた。中国最大の「草の根運動」を支持するブラ […]
『共産党についての九つの論評』タイトル: 第一評:共産党とは一体何ものか動画版 第二評:中国共産党はどのように […]
大紀元時報が16年前に出版した社説『九評共産党』は今も、読者に支持されている。中共ウイルス(新型コロナウイルス)を発端に高まる世界の反共ブームで同書は再び注目されるようになった。
5000年来、中華民族は黄河と長江が育んだこの地に生まれ、生活し、数十の王朝を経て、輝かしい文明を築き上げてきた。その間、栄枯盛衰を繰り返しながら、怒涛の如き壮大なる、感動の絵巻を展開してきた。
「説文解字」によると、「党」という字は、即ち「尚(なお)黒(くろ)」の二文字からなる。「党」、「党人」など、中国語の.中では貶す意味がある。孔子曰く「君子は矜(きょう)にして争わず、群して、党せず」。「論語」の注解よると、党とはお互いの悪と不正を隠し合うものである。中国の歴史の中にある小さな政治集団は、「朋党」とよく呼ばれるが、中国伝統文化の中では、良くない概念であり、徒党を組んだ悪い仲間という意味である。「党を結び」というと、「私利を営む」ことが連想される。