老廃物も病気の一因

医薬が発達した今日でも、症状があるのに病名が分からない、あるいは生活習慣病で悩む人が増えている。これらは体内の老廃物によって起こされたものだとする医学専門家がいる。

 サプリメントを使用する人も多いが、かえって健康が悪化することもある。こんな時は、まず老廃物の排出を考えるべきである。

宿便の問題

 食べた食物が消化、吸収された後に生じる老廃物が排出されず、宿便として腸内に蓄積されると、毒素の発生源になる。正常な排便を保つためには過食を控え、適度な運動、適量の水分摂取、食物繊維を含有する穀類、豆類、キクラゲ、玄米、海藻類、コンブ、リンゴ、パイナップルなどの食品を摂ると効果的だ。24時間の絶食も良い効果をもたらすことがある。

体内のガスの蓄積

 不健康な生活習慣は消化不良を起こし、排出すべきガスが体内に過剰に蓄積する。台湾の庄淑旗医師が経験した8人の突然死の患者には、いずれも明確な病気はなかった。死後解剖してみると、胃が異常に膨張していたという。生活習慣を調べてみると、皆、長期にわたり仕事の忙しさに追われて朝食を摂らず、昼食も簡単なものしか口に入れず、食事は主に夕食で摂っていた。多食や多飲の後、すぐベッドに入ると、食べた物は胃の水分を吸収して膨張し、更に発酵して多量のガスを生じる。胃の膨張は心肺を圧迫し、突然死を起こす原因にもなる。

 その他、ガスの蓄積は腹痛をもたらし、潰瘍を悪化させ、皮膚の老化を促進し、ガン発生の原因にもなる。

 これらの問題を予防するには、食生活の改善が必要である。朝食と昼食はきちんと食べ、夕食は少なめにし、夕食後にすぐ寝ることも避けるべきである。

水毒

 水分は生命の新陳代謝にとって食物以上に大事だが、摂り方が不適切になると、脱水や水毒を起こすことがある。高齢者は特に脱水症状が起こりやすい。体内の感覚器官が弱くなっているため、水分が不足しても感じなくなるので、意識的に適量な水分を取る必要がある。一方、若い人は暴飲暴食したり、冷たいものを多く摂るため、水分の代謝障害が起こり、代謝しきれない水分が水毒として体内に蓄積される。

 水毒はめまい、頭痛、肩こり、胃腸障害、気分不良、浮腫み、関節痛、体のだるさなど様々な病症の原因になる。

 これを改善するには、水分の摂り方を改善したうえで、陰陵泉(いんりょうせん)、三陰交(さんいんこう)、復溜(ふくりゅう)、足三里、水分(すいぶん)、水道(すいどう)、関元などのツボに鍼灸を施術したり、ジャガイモ、キュウリ、アズキ、スイカ、トウガンなどの水分代謝を促進する効果がある食品を食べると良い。必要ならば漢方薬の水分代謝を改善する薬を服用すると良い。

乳酸の蓄積

 乳酸は体内の酸素が不足した状況下で糖代謝から生じた副産物である。癌細胞は乳酸を栄養源としているので、乳酸の蓄積は癌細胞の成長を促進する。乳酸の多量な蓄積は酸中毒を起こして血管壁を穿孔、血液中毒でショックを起こし、死に至ることもある。

 その他、乳酸の蓄積により、体のだるさや疲れを感じやすくなり、肩や首の凝り、リウマチ、神経痛、ガンなどが発生することもある。

 これに対して、ビタミンB群を多く含む食物や食酢及びアスパラギン酸を多く含む食物を食べると改善する。韓国では食後にナシを食べたり、温かいナシ汁を飲んだりすれば、体内の発ガン物質の排出に効果があるという。研究によれば、喫煙や焼き肉を食べることにより体内に溜まった発ガン物質はナシを食べた後、著しく低減する傾向がある。特に温かいナシ汁を飲んだ後の効果が顕著である。

尿酸の蓄積

 尿酸はプリン代謝の酸化最終生成物である。プリン体を多く含むビールや動物性食品を多く食べる人の体内には尿酸が蓄積されやすい。尿酸の過剰な蓄積によって、高尿酸血症になり、痛風、腎障害、動脈硬化、高血圧が発症しやすくなる。

 十分な水分の摂取、セロリやトマトなどの野菜および黒色食品を多く食べると、尿酸の代謝に良い影響を与える。

フリーラジカル

 フリーラジカルは正常な新陳代謝の過程で生じた副産物である。外部からの放射線輻射、紫外線、電磁波、副流煙などもフリーラジカルの発生原因になる。その他にも精神不安、睡眠不足、憂うつ、緊張、不適切な飲食、お酒の過度な摂取などもフリーラジカルの生成を増加する。

 フリーラジカルが体内に多く蓄積されると、器官の老化、免疫力の低下、心脳血管の病気、糖尿病、癌などが発生しやすくなる。

 キノコ類、黄緑色の野菜、ビタミンE、ビタミンC、ポリフェノール、セレンに富む食物を摂ると、フリーラジカルの排出に効果がある。

 また、精神的な要素が新陳代謝、毒素の蓄積に強い影響がある。常に穏やかな心を保つことが健康を維持するのに不可欠だ。
 

(翻訳編集・東方)