生命の極限に挑戦する無脳児

無脳児(むのうじ)とは、生まれつき大脳半球が欠損していて全く無い、もしくは小塊に縮小している胎児や乳幼児のこと。このような子どもは通常、出生後まもなく亡くなってしまうが、僅かながら医学の常識を破った子どももいる。アメリカで生まれたジャクソン・ビューエル(Jaxon Buell)ちゃんはその一例である。アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)が、9月30日に報道した。

米国フロリダ州に住むジャクソンちゃんは、胎児の段階で死亡する可能性が高いと診断された無脳児。たとえ生きて生まれたとしても長くは生きられず、視覚、聴覚、言語、運動の能力は無いと診断されていた。しかし、無事に生まれて現在13カ月になったジャクソンちゃんは、「パパ」「ママ」と言葉を発するまでに成長した。寝返りを打ち、這い回ることもできる。澄み透った綺麗な両目は非常に可愛く、人に向かうとよく笑う。

大脳は運動、感覚の中枢である。大脳の大部分が存在しないジャクソンちゃんが運動をし、感覚もあるというこの事実は、現代医学の常識では理解しがたい。ジャクソンちゃんを診察する医師は、ジャクソンちゃんの寿命や能力については言及しなくなり、尋ねられるとただ「分かりませんね」と言うだけになった。

▶ 続きを読む
関連記事
パーキンソン病の人を対象としたダンスは、歩行やバランスの改善に役立つ可能性があり、表現する喜びや人との交流も生みます。専門医の解説と各国のダンス教室での体験を紹介します
アルツハイマー病には、脳のエネルギー代謝の異常が関係しているかもしれません。血糖管理、睡眠、食事、運動など、脳の健康を支えるために知っておきたいことを紹介します
記憶力の変化は、何歳ごろから現れるのでしょうか。新たな脳画像研究では、50代と20代の記憶テストの成績に違いが見られました。中年期の脳で何が起きているのかを探ります
更年期に減少する女性ホルモンは、脳の働きにも関係しています。なぜ女性にアルツハイマー病が多いのか。研究で見えてきた脳の変化と、ホルモン療法の可能性を紹介します。
食べる量が同じでも、「いつ食べるか」で脳の働きが変わるかもしれません。47人の女性を追跡した研究で、早い時間帯に食事を済ませるグループだけに認知機能の改善が見られました