中国人難民の苦境 タイで2人強制送還

タイ政府がこのほど中国人難民2人を強制送還したことが、国際社会に非難されている。米国務省報道官や、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などがあいつぎ遺憾の意を示した。

米国務省のジョン・カービー報道官は17日の定例記者会見で、「2人は中国で、厳しい扱いや不当な身柄拘束を受けたり、公正な司法手続きを受けられない可能性がある」「タイ政府の決定に深く失望した。国際義務と約束を履行し、弱者層を保護する従来の対応を継続するよう求める」と述べた。

国際人権NGO、アムネスティ・インターナショナルの発表によると、2人は中国の民権活動家。1人は武力弾圧された学生民主運動「六四天安門事件」の追悼活動に参加したことで中国当局に身柄拘束された。もう1人は2008年の四川大地震後の政府対応を非難したことで逮捕されて拷問を受けた。2人とも家族を連れてタイに出国したが、10月28日タイ警察に密入国の容疑で逮捕された。当時2人はすでにUNHCRに難民として認定されていた。アムネスティは「2人は中国で虐待や拷問を受ける可能性がある」と懸念を示した。

UNHCRは17日付の声明文で「タイ政府の対応に失望した。保護すべき人々に然るべき待遇を行わないという同国の法律欠如が露呈した」とタイ政府を厳しく糾弾した。

  タイ政府が中国人難民を強制送還するのは今回がはじめてではない。今年7月にタイ経由でトルコを目指す100人以上のウイグル人が逮捕されて中国に送還された。中国で集団弾圧を受けている伝統気功・法輪功の愛好者19人はUNHCRに難民と認定されているにもかかわらず、5月からタイ警察に身柄を拘束されたままで、随時強制送還の可能性に直面している。

難民の保護を目的とする国連難民条約は、国際社会に弾圧や迫害を受けて難民と認定された者に対する救済・支援を義務付けている。

(翻訳編集・叶子)

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