中国の大気汚染

北京で史上最悪レベルの大気汚染 初の「赤色警報」発令

中国の中央気象台の天気予報によると、7日から9日にかけて、北京、天津、河北省、山東省などの地域が、深刻な大気汚染に見舞われるという。これを受けて北京市当局は、7日午後6時(日本時間午後7時)に大気汚染の危険予測レベルを示す4段階の警報のうち、最悪の「赤色警報」を初めて発令。8日朝から10日正午まで、市内全域で注意勧告緊急対策、または強制的緊急対策を実施する。

一部報道によると、8日朝の北京市内はいつもに増して薄暗く、異臭が漂っている。中国当局が午前8時に発表した北京中心部のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度は、1立方メートル当たり268マイクログラムで「重度汚染」のレベルである。

中央気象台は、北京、天津ではPM2.5 のピーク時の濃度が同300マイクログラムを上回り、河北省中部では同500マイクログラムを上回るとも予測している。

11月30日、北京の各測定所のデータはすべて、大気汚染がここ数年で最も深刻なレベルでかなりの危険水準に達していると示した。また北京市の環境保護監測センターは、深刻な大気汚染は10日まで続くと予測している。

注意勧告緊急対策とは、小中学校と幼稚園の臨時休校、企業や工場の勤務時間の調整(在宅勤務など)、市民の外出時の公共交通手段の利用、自動車やバイクの走行控えなどを勧告すること。

強制的緊急対策とは、市内全域で全車両(電気自動車を除く)を対象に、ナンバープレートの奇数と偶数に分けて交通規制を行うこと、公用車はさらに使用台数の30%を減らすこと、公共交通機関の運行時間を延長することを指す。

そのほか、建築や工事車両といった大型車両の通行禁止、建築現場の屋外作業の中止、工業企業の操業停止または減産、花火や屋外バーべキューの禁止などの強制的措置も発動する。

中国の大気汚染は「霧霾」と呼ばれ、一般的にはスモッグと訳されるが、大気中に濃い「もや」がかかり、視界が非常に悪く、車の運転にも支障が出るほど深刻なもの。今回の発生は、今年の秋に入ってからすでに5回目で、11月27日から12月1日には、中国北部の広範囲にわたってこの「雾霾」が垂れ込める天候が続いていた。

(翻訳編集・桜井信一、叶子)

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