国外投資先を探る中国個人投資家、米株式市場参入へ
中国資本の国外流出が加速化するなか、これまで、中国国内投資家は海外株式市場へ参入することはできなかったが、米株式市場で株取引するためのアプリが相次ぎ開発されたことを受け、状況が一変した。ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した。
手順は極めて簡単で、投資家はまずパソコンやスマートフォンに株取引のアプリをインストールする。ネット上で中国の個人投資家向けの金融業務を展開している会社、積木盒子(jimu.com 本部・北京)の顧客である男性は、インストール後、わずか数分間でユーザー登録と500ドル(約6万円)の初期費用の支払いを済ませてからすぐに米上場企業の株式を購入できた。取引手数料は1株0.005ドル(約0.6円)と格安だ。
報道では、このアプリは中国中産階級が米株式市場へ参入する道筋を開いたと評した。「(昨年8月の人民元切り下げを受け)元安がさらに進むとみられているなど、国内での投資の選択肢が限られているなか、中産階級はもっと効果的な資産運用方法を求めている」
関連記事
中国株式市場のサーキットブレーカー制度は1月4日に実施されて、一時停止となった8日までの、わずか4日間しか発揮されなかった。中国のみならず、おそらく世界の株取引歴史をみても前例ないほど短命だった。
中国の株価下落が6月中旬から止まらないなか、国営新華社通信は8月31日、前日に拘束された中国最大の証券会社「中信証券」の上層部幹部4人、有力経済誌「財経」の記者1人、中国証券監督管理委員会(証監会)幹部1人が市場の暴落を招く不正行為を自供した、と報じた。
米週刊投資情報誌「バロンズ」はこのほど、中国の厳しい経済情勢、電子商取引業界の競争の白熱化などが主因で、アリババの株価は現在の水準より50%下落する可能性があると指摘した。
中国共産党規律検査委員会は13日、証券監督管理委員会(証監会)のナンバー2、姚剛・副主席(53)を「厳重な規律違反の容疑がある」として調査することを発表した。容疑の詳細は明らかにされていないが、今年6月中旬からの中国の株価暴落に関連しているとみられる。