河北省のある自然葬による土の墓の前で、紙銭を焼く人。2015年4月1日の清明祭で(FRED DUFOUR/GettyImages)

墓地賃借の廃止、自然葬は2020年に半数=北京

北京市当局は3月28日、埋葬について新たな規定を発表。墓地不足と価格高騰への対策として、伝統的な墓地の賃貸を廃止し、「自然葬」を奨励する。

このたび発表した「北京市葬儀と埋葬事業発展計画(2016-2020)」によると、伝統的な墓地の賃貸を廃止し、満期をすぎた墓地の継続更新はせず、公益性公共墓場の規模と数量を厳格に管理するという。

また計画では、樹木葬や花葬、海葬などの「自然葬」を奨励・推進し、公共墓場でも墓碑を新たに建てない予定。当局はこの自然葬のために43万平方メートル(東京ドーム9個分)の霊園を建造し、2020年までに半数の人が自然葬を行うと推計している。

近い将来、多くの人が墓を失うことになる。この発表に、ネットでは不満の声が相次いだ。「まずは天安門広場にある大きな墓を平らにしてくれ」「人間として最も大事な生老病死に、死の節目でも干渉しようとするのか。これは反人類罪だ」「数千年に伝わってきた伝統風習を覆すのか」。

4月2日は先祖を供養する清明節。新京報によると、北京市では41.9万人が市内213カ所の墓地や霊園に訪れた。前年にくらべて3・4パーセント増加した。

(翻訳編集・山本アキ)

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