中国・北京にある天安門。イメージ写真。(Getty Images)
大気汚染

北京 マスクも効果なし PM2.5に代わる有害物質「オゾン」

北京市環境保護局によると、最近、PM2.5など粒子状汚染物質を含むスモッグ霧が減少しているが、目には見えない有害物質「オゾン」が広がりを見せており、PM2.5に代わって北京を始めとする中国の大都市の主な大気汚染物質となっている。

北京市環境保護監督センターの測定結果によると、21日午後2時にオゾンの濃度は242マイクログラムで汚染とみなされるレベルに達した。

 オゾン汚染が深刻なのは7月から9月

通常、オゾンは成層圏(約10~50km上空)にあり、太陽からの有害な紫外線を吸収するため、人間をはじめとする地球上のあらゆる生物を保護する役割を担っている。しかし地表では、大気汚染の原因となり、人体に有害となる。

中国公衆環境研究センターの阮清鴛氏によると、夏季には日照が強まり気温も上昇するが、そこに発電所や、石炭燃料ボイラー、塗料やペンキ、自動車などから排出される窒素酸化物や揮発性有機化合物という物質が排出されると、オゾンレベルは簡単に基準値を超えてしまうという。オゾン汚染は7月から9月の3か月間が最も深刻な時期だ。

 オゾンの人体に対する健康被害と対策

専門家によると、オゾンは呼吸器を刺激するため、吸引した場合には息苦しさや咳を誘発するほか、ひどい場合には肺気腫を招き、さらに目も刺激するため視力の低下をもたらし、また皮膚中のビタミンEを破壊するため、肌に皺、あざができる可能性を指摘している。

オゾンは目に見えず触ることもできないため、接触を避けることが難しくPM2.5対策のマスクを使用しても何の効果もない。同氏は、オゾン汚染から身を守るためには、大気の状況を随時把握することを心がけ、気温が上昇している間は外出を控えることだと助言する。特に、午後2時から3時の日照・気温とも最高となる時間帯には室内にいるのが望ましいと注意を促している。

(翻訳編集・桜井信一/単馨)

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