習主席を陰から支え続けた太子党大物が死去
7月10日午前1時、中国共産党元老の葉剣英の次男で葉選寧氏が広州で死去した。79歳だった。一般には名は知られていないものの、政治や経済界に太いパイプがあり、文芸においても才能をあらわした。習一族とは2代にわたり交友関係にあり、反腐敗運動の局面において、習近平氏を支えた。
葉氏は1938年9月に香港で生まれ。父親の葉剣英氏は中国共産党元帥で、中国共産党人民解放軍の創立者の1人。母親の曽憲植氏は清代末期の政治家・曽国藩の血を引く。容姿も教養も優れた女性だったという。
同氏がいかに努力家だったかを示すエピソードがある。母親側の曽一族は老若男女を問わず書写に通じていたことで知られていた。葉選寧もまた3歳から書に親しみ、書家としても、31歳の時に機械に右腕を切断されるという不幸な事件に見舞われてしまった。右腕で筆を持つことが叶わなくなった同氏は、その後筆を左に持ち替えて一から書の練習を始め、数十年の地道の努力でまた立派な書家として名を挙げ、書写個展も開くようになったという。
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中国軍元大将の次男である太子党・羅宇氏はこのほど香港紙に投稿し、中国社会危機の禍根は共産党の一党独裁にあるとして、習近平主席に一党独裁の終結を呼びかけた。また最近、習近平氏、王岐山氏などの北京指導部が何度も党滅亡の危機に言及したという。
米証券取引委員会(SEC)は1日、半導体大手の米クアルコムが罰金750万ドル(約8.55億円)を支払うことに合意したと発表した。同社が中国政府高官の親族らを雇用する見返りに、中国で事業などのあっせんを受け、米国の贈賄防止関連法に違反したためだという。