新疆ウイグル自冶区カシュガルから300キロ離れた場所にタシュクルガンという小さな町がある。山に囲まれたこの町は異国情緒が漂い、山紫水明の風景は訪れる人を魅了する。
古くから東西交流の経由地であったタシュクルガンはパミール高原の東部に位置し、漢代にはシルクロードの経由地となった。ここに代々住み続けてきたのはタジク族であり、面立ちは白人の気質を思わせる。
山紫水明のこの場所で、人々は平和裏に暮らしている。
タジク族の人々が言うように、草原は牛馬の楽園だ。狼や豹が潜む場所ではない。自然と共に生き、悠々自適に暮らすその生活は多くの人々の憧れだ。
心のふるさと:ムスタング山
タジク族の男女の間では、ムスタング山は純粋な愛の象徴だ。山頂の万年雪は色褪せることのない愛情の象徴であり、湖に映し出される景色は恋人同士の相思相愛を表すという。
しかし、登山愛好家にとってムスタング山は越えがたい障壁であり、伝説的な場所だ。登頂を果たした人は少ないが、麓でも景色を思う存分楽しむことができる。
輝く宝石:カラクリ湖
もしあなたが写真でムスタング峰の壮麗さに心打たれたことがあるのなら、きっとその麓に広がる黒く澄んだ湖を忘れることはないだろう。これこそがカラクリ湖だ。
カラクリ湖は神秘的な湖だ。深く澄んだ湖の黒みがかった水面に、雪山一面が映し出され、まるで絵画のようだ。
荒涼とした古城
タシュクルガンの北には荒涼とした城跡がひっそりとたたずむ。幾重もの城壁の間には乱石が散乱し、崩れかけたその姿は背景と共に奥ゆかしい雰囲気を醸し出す。
ここはかつて唐代に栄えた羯盤陀(シエパントゥオ)国の都であり、シルクロードの中継地点として大いに栄えた。高くそびえる雪山の下に建てられたこの城は「石頭城(石でできた城塞の意)」と呼ばれ、見る人にかつての繁栄を思い起こさせる。
桃源郷
パミール高原は杏で有名だ。杏の花が咲き誇るときには地上の楽園となる。村中が杏の花でピンク色に彩られ、優しい香りが漂う。樹の下では無邪気な子供たちが様々な遊びを楽しむ。
魏晋南北朝時代の詩人・陶淵明の詩のように、桃源郷への道のりは険しく、訪問者の意思をくじく。だが桃源郷に入れば眼前には全くの別世界が広がる。
(翻訳編集・文亮)
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