私たちは睡眠中に時々夢を見ることがあります。夢を思い出す時は視覚的な情景が思い浮かびます。一方、目の見えない人は夢を見るのでしょうか? 彼(彼女)らは夢の中で視覚的な情景を見ることができますか? それが夢であることがわかりますか?
米「ニューヨーク・マガジン」のウェブサイトで、人々は記憶を基に夢を見ると述べており、生まれつき目の見えない人は視覚的経験がないため、夢の中ではものを見ることができないと指摘しています。
この指摘に同調する生まれつき目が見えない米著名映画評論家トミー・エジソンさんは、普段の生活で、聴覚、嗅覚、味覚、触覚で人々と接しています。夢の中で、同じく音声・匂い・味などとの触れ合いによって、現れた人物とコンタクトを取るそうです。彼は、声や香水の香りなどで夢に出てきた人物を想像すると話しました。また、日常生活の中では、例えば、道路を渡る時に腕を支えてくれた人の感触などで、夢の中で同じ感触があればその相手を知ることができると例を挙げて説明しました。
(YouTube動画)
一方、デンマーク・コペンハーゲン大学で、アマニ・メディ(Amani Meaidi)氏が率いた「目の見えない人の見る夢について」の研究があります。
研究チームは目の不自由な人(11人の生まれつき目が見えない人、14人の中途失明の人)からなる試験グループ25人と、目の正常な人からなる対照グループ25人に4週間の追跡調査を行いました。対象者たちが見る夢の内容とその時の感情において、2グループともに有意差はありませんでしたが、五感を体験する夢において有意差がありました。
試験グループが夢を見るときは、聴覚、嗅覚、味覚、触覚に頼る人が多いという結果が出ました。また、夢の中で少なくとも一度は聴覚、触覚、嗅覚、味覚の体験があった人は、試験グループと対照グループにおいてそれぞれ、聴覚86%対64%、触覚70%対45%、嗅覚30%対15%、味覚18%対7%でした。
対照グループでは少なくとも一度は視覚的体験があるのに対して、生まれつき目の見えない人は、全く視覚的体験がないとの結果でした。一方、中途失明の人は夢の中では視覚的体験はあるが、失明の時期が長ければ長いほど視覚的体験も少なくなると2014年の医学誌「睡眠医学(Sleep Medicine)」に発表されました。
(翻訳編集・李青)
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