南シナ海領有権問題 比大統領が強硬発言

フィリピンドゥテルテ大統領は6日、中国と領有権紛争中の南シナ海に関する強硬発言をした。軍に命じて領有権を主張する島をすべて占領するという。

南シナ海に面するパラワン島の軍基地を視察する際に記者団に述べた。対象となるのは9~10の島、駐在施設も建設されるという。また大統領は比独立記念日の6月12日に、実効支配中のパグアサ島(中国名:中業島)に現職の大統領として初めて上陸し国旗を掲揚するとも示唆している。

海上交通の要所であるうえ、豊富な石油や天然ガス資源が眠っているとされる南シナ海は、中国が最も広い範囲の領有権を主張し、その他にもフィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾の国々が特定の海域や島、岩礁、環礁の一部の領有権を主張し合い、緊張関係が続いている。

ドゥテルテ大統領はこれまで、南シナ海の問題において中国との対立を緩和させることを優先し、強硬な姿勢を示すことはなかった。米中首脳会談がはじまる数時間前にあった今回の動きに、その意図が問われている。

 (翻訳編集・叶清)

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南方時報によると、中国当局は、船の輸送コンテナに収まるほどの小さな原子力発電所を建設する技術を開発している。計画によると、長さ6.1メートル、高さ2.6メートルのわずかな空間に作られる発電で、5万世帯に必要な電気を供給できるという。
中国共産党は現在「海上交通安全法」の制定を進めている。同法の草案では外国籍潜水艦が領海を通過するときは中国政府の許可を得て、海面まで上昇し国旗を掲揚しなければならない等の規定を定めている。改正案に盛り込まれたこれらの条文は、中国共産党が南シナ海における態度をさらに強硬なものにするだろう。そうなれば近隣諸国との摩擦が増えるのみならず、「航行の自由」作戦を行う米軍との対立をより深める恐れもある。