日出づる国、日本とクリスチャン・ディオールの運命に導かれた物語
東京の中心部に位置する一等地、銀座にディオールが新たな店舗をオープンいたします。
ニューヨーク近代美術館(MOMA)の増改築を手がけた谷口吉生によるGINZA SIXの一角、同氏はディオールのために地下1階、地上4階にわたる新店舗のファサードを、白い布が重なり合ってただよう壁面に水平な線が走り街路沿いに印象的な4つの大きなウィンドウが開けたユニークなデザインに仕上げました。
白を基調としてモダンな調度をシームレスに配した内装は、世界中のディオール ブティックを手がける建築家 ピーター・マリノによるもの。
天井高7メートルの吹き抜けが印象的な1階の空間とともに、レザーグッズ、アクセサリー、ファインジュエリーと時計のコレクションが訪れる方々をお迎えします。
ベルギー産のライムストーンとブラックのカボションが輪郭を描くように配された床がカーペットのように伸び、壁面にタリク・キスワンソン(TARICK KISWANSON)のアートピースが飾られた階上のシューズフロアへと導きます。館内はさらにウィメンズのプレタポルテ、ホームコレクションである「ディオールメゾン(DIOR MAISON)」、「ディオール オム(DIOR HOMME)」、さらにVIPサロンも設けられています。
4階にはフランスの著名なパティシエ、ショコラティエであるピエール エルメによるカフェ「カフェ ディオール バイ ピエール エルメ(CAFÉ DIOR BY PIERRE HERMÉ)」がオープンし、エクスクルーシブなデザートとともに心地よいひと時をお過ごしいただけます。
日出づる国、日本。クリスチャン・ディオールを魅了したこの国は、クチュリエが幼い頃から彼にとってインスピレーションをもたらす場所でした。
「天井まで届く大きな日本画が階段の壁を飾っていました。
そこに広がる歌麿や北斎は、さながら私のシスティナ礼拝堂。何時間もじっくりと眺めていた子供の頃の姿が目に浮かびます…」
クチュリエは回想録の中で当時の思い出を詳細に語り、ノルマンディーのグランヴィルの断崖に佇む自宅の1階の風景を鮮やかに描き出しています。
幼少期に深く日本画に触れた体験がやがて彼の中に刺繍をあしらった絹への愛着を育んでいったのです。
想像の中の日本をコレクションで表現し、独特な世界観を展開していきました。
1953年にはアフタヌーン アンサンブル「ジャルダン ジャポネ(JARDIN JAPONAIS:日本庭園)」が誕生。ピンクのファブリックに、桜がプリントされていました。
また、1959年の美智子妃ご成婚の際には婚礼衣装としてドレス3着の制作がディオールに依頼されました。
そして現在、新たな空間がオープンするここ銀座の地で、ディオールは物語の次の1ページを綴ります。
それはまさに、1998年に日本初の店舗を程近くにオープンした過去から続く、運命に導かれた物語といえるでしょう。