年を経る毎に透けてきた漆が、絶妙な質感を醸す。ホテル椿山荘東京は、6月1日から同中旬まで、人間国宝・室瀬和美氏による「車海老蒔絵乾漆八稜箱」が展示される。飴色の透漆の透明感が好きだと言う作者が、それを生した表現に取り組んだ作品。
ホテルが伝える室瀬氏の取り組みによると、透漆にはエビの美しい甲殻が最適だと考え、生きた車海老を来る日も来る日も観察し、漆によるリアリズムを追求し続けた。側面は細く切った夜光貝を並べ、汀(なぎさ)の煌きを表している。
作品はホテルのロビーで展示。
(編集・甲斐天海)
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