専門家によると、少子化問題が中国の社会と経済の発展の歯止めとなり、人口問題は中国最大の危機だという。写真は、赤ん坊を世話する高齢者(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)
人口問題

高齢化と少子化こそ中国最大の危機=人口専門家

1979年から中国共産党が一人っ子政策を実施してから37年が過ぎた。これにより中国の出生率は著しく低下し、人口ピラミッドは急激に底が減り、他国と比べて年齢別人口がアンバランスになった。その影響は、近い将来の中国に暗い影を落とすと専門家は予測する。

現在、中国の0歳から14歳までの幼少年人口の割合は16.5%にまで低下している。人口学者の姚美雄氏によると、世界平均の27%と比べると著しい少子化水準だという。

今年の5月には、有名な投資分析専門家ジョン・モールディン氏が自身のサイト「モールディン・エコノミクス」において、世界で人口増加率が最も低いのは東欧、ロシア、中国そして日本であると述べた。世界的にみると、高齢者の増加は子供の減少よりも早く、最初に人口危機を迎えるのは中国だと分析する。

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