農村部の数学教師は、「8人の大学生が夏期講習を禁止され、授業料を返金しなければならなくなった。一銭も稼げないだけでなく、家賃、教材費、人件費も負担しなければならない」と批判した。写真はイメージ画像(STR/AFP/Getty Images)
大学入試試験「高考」

志望校を無理やり変更させられる生徒 中国の受験生は高校評価の「持ち駒」か

中国で昨年、一部の受験生が高校側から無理やり志望校を変更させられていたことが明らかになった。一部の高校では、北京大学や清華大学といった中国のエリート校への合格者を確保するため、優秀な生徒に対し合格ラインがやや低い北京大学医学部看護科へ進路を変更するように強要していた。ある生徒が拒否したところ、複数の学校関係者から代わる代わる6時間にわたって「説得」されたという。

中国メディアは、北京のある重点大学の入試担当教官が、地方の受験生から聞き及んだという話を報じた。雲南省のある高等学校では「高考」(中国の大学入試統一試験)で高得点を取った20数人の生徒に対し、校長が北京大学医学部を受験するよう強く求めていたという。

別の学校でも同様のことが起きていた。ある生徒がこれを拒否したところ、副校長室に閉じ込められ、副校長や教務部長、担任などが代わる代わるやってきては、志望校を変更するよう求めてきた。ホームページ上での願書提出締め切りの1時間前になって、父親が駆けつけて校長の要求をきっぱりとはねつけたため、最終的にはこの学生は北京大学医学部ではなく、希望する大学の名前を願書へ記入することができた。

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春秋時代末期(紀元前507年)の著名の工匠・公輸班(公輸が苗字)は魯という国の人で、魯班とも称される。専門家の研究によると、魯班は孔子よりは年下になり、墨子よりは年長になるという。魯班は子供の教育に道理や礼節を重んじ、忍耐強く適切な時機を待って子供に教える。厳しくするべき時は、彼は少しも手を緩めず教育したため、良い結果を収めることができた。
 ネット上で漫画「孩子,我为什么要你努力读书?(ママが頑張って勉強しなさいって言うわけ、あなたに分かる?)」が話題になっている。ごく短いセリフとシンプルな絵柄で構成されているが、受験教育一辺倒の中国において、本当の教育とは何かを深く考えさせられる。
毎年6月7日と8日は、中国の全国大学統一入試(通称「高考」)が行われ、あらゆる大学のあらゆる学科の合否が、この試験の結果1つで判定されるからだ。だが、この時期、受験生やその親を悩ませるもう一つの問題が発生する。「ニセ大学」問題だ。