新疆ウィグル自治区ウルムチ市の街頭でパトロールする警官。写真は2014年撮影されたもの。(GOH CHAI HIN/AFP/Getty Images)

大型連休に突如の出勤命令 党大会前に厳戒態勢が続く=新疆ウイグル自治区

中国共産党の重要会議・第19回全国代表大会(10月18日開催)を前に、新疆ウイグル自治区に厳戒態勢が敷かれている。英紙タイムズ5日の報道によると、10月1日からの大型連休中に公務員は休日返上の出勤、学校は授業の即日再開を突如命じられた。

ある匿名希望の市民は香港メディア、サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、国内旅行中の同僚が呼び戻され、市民の間で不満が広がっていると話した。

タイムズ紙はある専門家の話として、今回の命令は最高指導部からではなく、自治区の首長、陳全国・党委書記が自ら発案したものだと伝えた。その目的は習近平国家主席に手腕と忠誠心をアピールし、19大で最高指導部入りを果たすためだと分析した。

陳氏は昨年夏、ウイグル自治区の首長に就任後、抑制政策を強化している。

新疆当局は住民に対して、自宅で習近平氏肖像画の掲示を強制するほか、集団祈祷で共産党と習近平氏を讃える文言を真っ先に唱えるよう要求した。さらに、コーランの返上をウイグル人に迫ったり、一部の地域では、すべての住民に自動車やバイクに位置自動探知装置GPSの搭載を義務付けた。男性の「通常以上の長さ」のヒゲ、女性の顔・身体を覆う衣装まで禁止された。隣人同士の監視を命じたり、違反者通報用の携帯電話アプリを最近導入するなど、監視体制を強めてきた。

さらに、新生児に宗教色を帯びた名付け、学生の断食参加を禁止している。イスラム教聖地メッカへの年に一度の大巡礼には当局の参加許可が必要となっている。当局がパスポートを代理保管、出国には政府の特別許可が必要など、ウイグル人の生活の隅々まで規制している。

長年来、ウイグル人は中国政府の民族・宗教抑圧に反発し、抗議や暴動を度々起こしていた。中国当局は抗議をテロ活動と称して武力制圧を図った。

200人以上の死亡者を出した2009年7月の抗議運動以来、当局は武装警官部隊を自治区内に配置し、厳戒態勢を敷いてきた。

現在、ウイグル人の反発は沈静化しているが、中国少数民族問題の専門家は「沈黙の火山はいつか大爆発する」と懸念を示した。

 (翻訳編集・叶清)

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