瀋陽のショッピングモール(Getty Images)

北朝鮮エリート子弟、中国都市で高級品を現金購入「有事に備え退避か」

北朝鮮高官の若いエリートたちは、中国の高級マンションで贅沢な暮らしを送っており、自国では購入できない高額商品を手にいれている。ラジオ・フリー・アジアは19日、中国北部の都市・丹東と瀋陽では「湯水のように」現金を使い高級品を買う若い北朝鮮人が増えていると報じた。

北朝鮮高官の子息とみられる若者たちは、賃借料が年2万7000ドル(約300万円)の中国の高級マンションに住んでいるとの報告がある。国連統計の北朝鮮の1人当たりGDPは642ドルで、農村部は年収100ドル程度といわれている。

中国の匿名の情報筋はRFAに対し、2017年春から、10代から30代の若い北朝鮮人が、中朝国境付近の都市に姿を見せ始めたと語った。別の情報源である丹東の中国籍朝鮮族によると、同じ時期に、両都市の北朝鮮領事館の近くの高級住宅を、北朝鮮人が買い占めたという。

「中国の北朝鮮制裁は強まっているにもかからず、彼らは湯水のように現金を使っていた。だから、地元住民でさえ気になっていた」と述べた。

丹東の北朝鮮領事館から徒歩約5分ほどのところに、高級マンション群「Shangcheng Zuoyan」が並ぶ。情報筋によると、家賃は「非常に高価」で、居住者は裕福な北朝鮮人がほとんど。各部屋には2〜3人が住んでいる様子だという。

このマンションの1階の1フロアはオフィススペースで、北朝鮮関係者が借りている。1年間のリース料は約2万3000ドル(約260万円)で「裕福な中国人でさえ、高すぎて借りないのに」と住民は首をかしげる。

別の瀋陽の情報筋によると、瀋陽の北朝鮮領事館の近くに移り住んできた若い北朝鮮人たちは「みなオシャレなスーツを着ており、普通の北朝鮮人とは全く違う」

この高官の子弟とみられる若い北朝鮮人が多く中国側に移住してきたのは「半島での紛争の備えで、退避行動なのかしれない」と述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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