中国当局は26日、人権活動家の呉淦氏に懲役8年、公民権はく奪5年の判決を言い渡した。709事件で拘束された王全璋弁護士については依然として、消息が不明。写真は2009年、呉淦氏(左)が米国「アジア・パシフィック人権基金」の「人権リーダー賞」を獲得した。(季媛/大紀元)
消される中国人

中国、人権活動家に懲役8年、「709事件」弁護士の消息は不明

中国の天津市第二中級人民法院(地裁)は26日、「国家政権転覆罪」に問われた人権活動家の呉淦氏(44)に対して懲役8年、公民権はく奪5年の判決を言い渡した。2015年7月9日以降、中国当局が行った人権派弁護士の一斉拘束、いわゆる709事件を含む権利擁護活動家への取り締まり中で、言い渡された判決として最も重い刑となった。

 当局は同日「国家政権転覆煽動罪」などに問われた人権派弁護士の謝陽氏(47)に対して、「罪を認めたため、刑事処罰を免除する」と言い渡した。しかし、709事件で拘束された王全璋弁護士(41)に関しては、依然として消息が不明となっている。

天津市地裁は、709事件で拘束された人権派弁護士を支援した呉淦氏に対して、「ネット上で、国家機関などを攻撃する言論を広げた」などの判決文を読み上げた。

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