東方文化の中には昔から「面相術」があり、人の面相から、ある程度その人物の運命を読み取ることができる。また、漢方医学の「望診術」は、人の顔から、その人物の健康状態を言い当ててしまう。このような術の心得がなくとも、ある程度の人生経験を積み重ねれば、多少なりとも人の顔つきからさまざまな情報を推察することは可能だろう。
米国の心理学者、リオボト・ベラコ博士は、30年の研究経験を積み重ね、顔の表情から内心の世界を解読する本を出版した。著書の中で博士は、解剖学、行為学、心理学の面から、人の顔に現れる人生の情報を解読できると説明している。
博士の分析によれば、モナ・リザの右目は左目より少し小さい。これは皮肉や蔑視の心境を表している。彼女は右側の口角部をぎゅっと締めている。これは情欲を抑えている表情である。左目は憂鬱なほほえみを現し、口の左半分は緩んで、穏やかな表情を示している。弱々しく力が乏しい顎とまろやかな頬は、ある種の情欲を伝えている。絵画に描かれた顔からみれば、モナ・リザは人々が思うほど清らかで優しい女性ではなく、むしろ自制心が強く、情欲を深く潜めている多重人格の興味深い女性である。
(編集・望月 凛)
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