『九評』編集部新刊『共産主義の最終目的』

第二章(上)赤魔の陰謀:人類を壊滅させる

前章:第一章 中心なる国 神より伝えられた文化

 

目次

1.カール・マルクスの秘められた邪教信仰

2.人類を壊滅させる邪悪の路線図

1) ヨーロッパでの幕開け

2) 実験台となったソ連

3) 中国で根をおろす

4) 米ソ対立の陰で伝統文化の破壊に注力する中国共産党

5) ソ連の崩壊と中国共産党の台頭

6) 経済の急成長と道徳の荒廃

7) 経済的利益で全世界の道徳を崩壊させた中国共産党

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「ヨーロッパに幽霊が出る。共産主義という幽霊である」。『共産党宣言』は冒頭から「幽霊」という言葉が使われているが、これは決してカール・マルクスが気まぐれで発したものではない。この幽霊は他の空間では、「憎悪」と宇宙の低次元にある各種の腐敗物によって構成された邪霊なのである。その原形は蛇だが、表層空間では赤い龍として現れている。正神と正義を敵視するサタンと同類で、人類を滅ぼすことを目的としている。神が帰還して衆生を救う最後の段階で、人々が神への信仰を捨てるよう仕向け、人間が神の教えを理解できなくなるまで道徳を堕落させ、それによって人間は最終的に淘汰され、元神が永遠に消滅されてしまう。

共産主義が思想の一種、または失敗に終わった模索だと従来認識されている。しかし、共産主義は思想の一種でもなければ、模索でもない。共産主義はそもそも人間が編み出したのではない。共産主義は悪魔の教義であり、邪霊が人間に押し付けたのである。共産主義の目的は人間に危害を加え、人類を壊滅させるためである。

共産主義に影響された人々が共産邪霊の企みにまだ気づいていないなら、共産党のこの百年来の歴史を振り返る必要がある。こうしてはじめて、人類を壊滅させるために共産邪霊が周到に按配した路線図が浮き彫りになる。

邪霊はその陰謀を実現させるために、マルクスとその追随者を選んだ。マルクスらはこの世で邪霊の代理人となり、共産邪教を流行らせた。まず、マルクスの邪教信仰と邪霊の路線図について述べたい。

 

1.カール・マルクスの秘められた邪教信仰

マルクスは中国人にとってなじみ深い西洋人の一人である。しかし、マルクスの人となりを知る人は実に少ない。

マルクスは裕福なユダヤ人の家庭に生まれた。6歳のとき、父親がユダヤ教からキリスト教に転向したため、マルクスも同じ教会で洗礼を受けクリスチャンとなった。彼はかつて、作文で惜しみなく造物主に賛美の辞を送っていたが、のちに不可解なことが起きた。マルクスは突然、造物主に憎悪の念を抱くようになり、別人のように変わった。

西洋の研究によると、マルクスの異変はサタン信者から影響を受けたためだ。サタンとはすなわち悪魔であり、マルクス自身もサタンの崇拝者になった。この事実は多くの人々にとって衝撃的であろう。そこでマルクスの作品を通して、彼が悪魔へと変容を遂げた過程およびその暴力と憎悪に満ちた内心世界を検証したい。

18歳のマルクスが書いた戯曲「ウーラネム(Oulanem)」には、「破滅せよ、破滅せよ・・・狂気じみた叫びとともに全人類に呪いをかけた…暗闇の中、無間地獄がおまえと私のために口を開き、おまえはそこに落ちる。私は笑いながらおまえの後を追い、おまえの耳元で『同志よ、落ちろ、私とともに』とささやきながら。・・・もしすべてを飲み込むものが存在すれば、私はこの世界を破滅させるために、それに飛び込むだろう」という記述がある。

マルクスの持つ不可解な憎悪の念と凶暴さを前に、人々は背筋が凍る思いを抱くだろう。

さらに詩「フィデラ(The Fiddler)」で、マルクスは「おお!私は黒い血まみれの剣を正確にお前の魂に刺しこみ・・・代わりにサタンの手からそれを受け取る・・・そして私は重厚で美しい『死の進行曲』を奏でる」と書き下ろした。さらに、「蒼白な少女(The Pale Maiden)」で、「私はすでに天国を失った…もはや間違いなく地獄に落ちる運命となった」とも書いた。

詩作「ヒューマンプライド(Human Pride)」の中で、マルクスの目標は世界を改善することではなく、世界の破滅だと認めている。しかも、それに喜びを感じているという。

 

・・・

軽蔑の念を抱いて、私は世界に宣戦布告する

世界の顔面のいたるところに、腕鎧(腕用の防具)を投げつける

この背の小さい巨人は轟然(ごうぜん)と倒れこみ、泣き叫ぶ

しかしこいつが崩壊してもまだ私の喜びの感情を鎮めることができない

私は神のように、廃墟となった王国を通り抜け、凱旋する

私が放つ一つ一つの言葉は炎と業であり

造物主と同等であるとさえ感じる

・・・

世界への憎悪の念はどこからきたのだろうか。マルクスの作品「絶望者の呪い(Invocation of One in Despair)」からその一端を見ることができる。

・・・

呪いと運命の刑器のなかで、一つの霊が私のすべてをかすめ取った

全世界は脳裏から消え去り、残ったのは憎悪のみ。

私は天空に王座を築き上げる

その頂点には寒さと恐怖、礎には迷信の戦慄がある

そして王座の主は最も暗黒で極度の苦しみだ

・・・

また、マルクスは父親宛ての手紙で次のように書いた。

・・・

一つの時代の幕が落ち、私の最も聖なるものは四分五裂した

新たな霊が宿らなければならない

(中略)

真の不安に襲われた私は、この騒ぐ幽霊を鎮めることができない

私と私を愛してやまないあなたが一緒になるまでは

・・・

マルクスの内心の変化に対し、彼の父親は不安を抱いた。返信では「おまえの心が純粋さや人間らしさを失い、悪魔がおまえの心から健全な感情を引き離すならば、わたしはけっして幸せになることはできない」と諭した。

しかしマルクスの心はすでに悪魔に占拠されていた。詩『ヘーゲルについて』の中で彼は次のように述べている。

・・・

私は考えることにより最も奥深く最も崇高な真理を発見した

だから私はまるで神と同様に偉大であり、

暗黒を身にまとい、

まるで神であるかのように

・・・

マルクスが悪魔に変化する過程は決して秘密ではない。マルクスが残した作品や手紙、学者が提供する多くの証拠はいずれも公開されており、共産主義国家が故意にそれらの事実から目をそらしているだけだ。書籍『マルクスとサタン(Marx and Satan)』の著者リチャード・ウォームブランド(Richard Wurmbrand)によると、彼がモスクワのマルクス・レーニン主義研究所に問い合わせたところ、マルクスの著作は100冊にも及ぶが、現在出版されたのは13冊しかなかった。

当時マルクスは世界を破滅させることしか念頭になく、無産階級や労働者、農民の境遇を改善する考えは毛頭なかった。しかし、頭脳明晰で良好な教育を受けながら、憎悪と暴力を好み、神と人類を恨み、悪魔を崇拝していたマルクスは、共産邪霊にとって最適な代理人であり、邪霊はマルクスを選んだ。邪教を信仰し、神を憎むマルクスは無神論者ではなかったが、共産主義を無神論の邪教に作り上げた。マルクスは人類を壊滅させるという共産邪霊の使命を果たすべく、無神論の共産邪教を神と戦うための武器として利用したのである。

そこで、無産階級を利用して世界を混乱の渦に陥れ、血なまぐさい殺戮(さつりく)を伴う悲劇が幕を開けた。

 

2.人類を壊滅させる邪悪の路線図 

殺戮の歴史でもある共産主義革命は一見無秩序だが、実は邪霊の遠慮深謀であった。邪霊の目指す目的地は「中心なる国」、すなわち中国である。中国を支配すれば世界を征服できると邪霊は承知していた。しかし、中国で五千年にわたって蓄積された文化の神髄と民族の精神は、神仏を憎み暴力を崇拝する共産主義を決して受け入れることができない。そこで迂回策を取り最終的に中国を乗っ取る共産邪霊の陰謀が始まった。

 

1)ヨーロッパで幕開け

1848年に発表された『共産党宣言』において、マルクスは神を敵視する無神論と闘争の哲学を共産主義の核心的部分に組み入れた。無神論と闘争は互いに補完する関係であり、どちらも不可欠である。共産主義は神を信じないため、天も地も眼中にはなく、因果応報をも恐れない。闘争を尊ぶため、道徳水準を無視して天、地、人と闘いを繰り広げ、残虐非道な振る舞いであった。「無神論」と「闘争の哲学」は百年以上におよぶ共産党の邪知暴虐(じゃちぼうぎゃく)な統治の理論指針と行動指針となった。

 

2)実験台となったソ連

共産主義は人々の支持を得られなかった。そして、パリ・コミューンの失敗から半世紀が過ぎた1917年になって初めて、レーニンによるロシア革命で世界初の共産主義政権が誕生した。ソ連は一連の非人道的な制度と懲罰の手段を考案したが、その目的は将来、中国共産党に伝授するためである。

邪霊の目標は中国を乗っ取ることであり、ソ連はそのための踏み台に過ぎなかった。

 

3)中国で根を下ろす

ソビエト政権はかねてより中国共産党を支援し、共産主義を中国での代理人として育てた。物資の提供から人材の育成まで惜しみなくノウハウを伝授した結果、中国共産党は政権を手にした。

中国共産党はソ連を親玉とみなし、懸命にソビエト政権を守っていた。しかし、ソ連と東ヨーロッパは脇役に過ぎず、中国共産党こそが邪霊の意中の主役である。

 

4)米ソ対立の陰で伝統文化の破壊に注力する中国共産党

第二次世界大戦後、共産陣営が勢力の拡大に成功した。邪霊はこの陣営を維持するため、ソ連の軍事力を増強した。その結果、米ソの軍拡競争は数十年も続いた。米ソ間の対立が熾烈を極めていたが、中国共産党とって、空間と時間を稼ぐ絶好のチャンスだった。ソ連の援護射撃のもと、邪霊の計画通りに中国共産党が中国神伝文化の破壊に着手した。つまり中華文化を壊滅させ、中国人の信仰を打ち砕いた。

当時、閉鎖的な中国で一連の政治運動が繰り広げられ、殺戮の嵐が吹き荒れていた。階級闘争の名のもとで、無神論という棍棒を振りかざし、「憎悪、欺瞞(ぎまん)、闘争、殺戮」をもって、中国の五千年間伝承されてきた文化に壊滅的な打撃を与えた。是非善悪の基準が覆され、道徳観念が反転し、礼儀の国という呼び名は中国と無縁のものとなった。信仰を重んじる中国人は洗脳され、自国の文化を唾棄し、マルクス・レーニン主義の信者となった。

 

5)ソ連の解体と中国共産党の台頭

中国の伝統文化が中国共産党に破壊され、中国共産党もその過程で革命の手段を極め、経験を蓄積した。ここに至って共産邪霊は、中国共産党が次の計画を実行するには十分な邪悪さを備えたと判断した。そのため、実験台と隠れみのとしての旧ソ連の使命は終わり、巨大な共産陣営は音を立てて崩壊した。旧ソ連は歴史の舞台から降り、共産主義の旗振り役は中国共産党に継承された。

 

6)経済の急成長と道徳の荒廃

軍拡競争が盛んだった冷戦が終わりに近づくころ、中国は経済の急成長を遂げた。度重なる政治運動により経済が崩壊寸前の国家を、一夜にして経済大国にするのは容易なことではない。そこで、邪霊は西側の富を中国に移動させた。旧ソ連の崩壊後、西側の資本と技術は旧ソ連に流入しなかった。しかし、中国共産党が共産主義の旗振り役になったのち、西側諸国に投資ブームが起きた。人間はこの現象をいかようにも理由付けはできるが、その根本的な原因は邪悪の計画によるものである。つまり、旧ソ連が退場し、中国共産党が台頭する時期がやってきた。

実は、西側諸国、特にアメリカ人が中国に対して抱く特別な感情もこの時期のために用意された。米ソ対立の時期、中ソ関係も悪化したため、鎖国状態の中国は孤立していた。自国の文化を破壊し自国民を虐殺する中国は、国際社会での存在感は希薄だった。そのため、ソ連と敵対していた西側諸国は中国に好感を持っていた。中国国内で過激な反米言論が繰り返されていたが、アメリカは中国と中国人に特別な感情を抱いていた。これは世の人々が「中心なる国」に抱く特別な感情なのかもしれない。

中国を舞台とする大芝居が幕を上げた。海外の巨額資本と西側諸国が数百年来培ってきた技術はせきを切った洪水のように中国に流れ込んだ。勤勉で苦労をいとわず、中国共産党の支配下で欠乏にあえぎ金銭欲に駆られた中国人は、流入する外国資本との間で化学反応を起こした。「経済の奇跡」はこのようにして起こった。巨大なマーケットに誘惑され、全世界の資本が中国に流れ込んだ。西側諸国は中国に対して市場を開放し、中国で得た利益は再び中国に回流した。外資企業が中国で得た利益が中国で蓄積されたため、中国の外貨準備高は急速に増加した。同時に中国共産党による通貨の超過発行により通貨が溢れていた。そのうえ、不動産価格は急騰し、あまたの資金が必要となり、通貨の発行に歯止めがきかなくなった。

裕福になるまでそれほど時間はかからなかった。このスピードに中国人自身も驚いた。中国人が勤勉に働いた結果のように見えるが、邪霊が背後で富の大移動を操っていなければ、急速に裕福になることはなかった。

古くから、経済の発展には道徳水準の支えが不可欠だった。つまり、「富ありて徳あり」ということである。邪霊は中国で意識的にこの法則を逆用した。「貧しさこそ名誉」の禁欲主義的な風潮が突然、拝金主義と性の解放に代わった。その結果、民衆の道徳は日増しに滑落し、道徳の許容範囲を幾度も超えてしまった。道徳観の滑落と同時に、経済が目まぐるしい発展を遂げた。こうして、立派な外見に中身の伴わない経済大国が出来上がった。

邪霊がこの経済発展の奇跡を按配した目的は単純だった。経済力がなければ、中国共産党は世界において発言権を得られないからだ。しかし邪霊は中国を強国にするためにこれらを計画したのではない。世界各国が経済面や国際情勢の必要性に迫られ、中国共産党に援助を求めることになると、邪霊は画策した。中国共産党が中国人の道徳を堕落させ、中国人の信仰を迫害する際、各国が経済利益のため見て見ぬ振りをするよう、邪霊は先手を打っておいた。このように、中国共産党の手によって世界の道徳が崩壊し、人類全体は破滅の道へ向かった。

ただ、邪霊はグローバル化を利用して富を移転させ、中国を経済大国にしたと同時に、この富が消えるシステムも組み込まれた。西側諸国の国民はいつか、この富の移転に反対するために立ち上がる。政治家が有権者の圧力で政策転換を図り、各国が協力して中国共産党に対抗する可能性がある。中国の中身の伴わない経済力は西側諸国の相手ではなく、道徳水準の裏付けなき経済発展に持続の可能性はない。道徳水準をないがしろにした成金的な経済発展と同時に、道徳的問題による経済崩壊の伏線がすでに用意されていた。

 

7)経済的利益で全世界の道徳を崩壊させた中国共産党

西側諸国は自由と民主を普遍的価値と見なしている。経済発展を遂げた中国が自ら民主主義へ舵を切るという期待から、諸外国は中国に投資した。邪霊は経済利益を餌に西側諸国を手玉に取った。貪欲に駆られた西側が道徳の原則を放棄し、共産党の共犯者となった。そして経済利益において西側が中国共産党と一蓮托生(いちれんたくしょう)になった。実際、利益を目前にして民主主義と自由は無価値なものとなってしまった。西側諸国に潜伏している共産主義的イデオロギーは時を同じくして息を吹き返し、内部から社会を分断して混乱を起こし、中国共産党の独裁政権の代弁者となった。

普遍的価値とは何か? 中国の伝統文化にある「真、善、忍」がすなわち普遍的価値である。この価値を守る人たちが中国共産党の厳しい弾圧を受けている。西側諸国が中国共産党の蛮行に対抗しなければならないときに、西側諸国は目前の利益を優先して沈黙を守り、場合によっては共産党の悪行を助長している。この意味で、西側自由主義諸国はこの局面を作った共犯でありながら、被害者でもあり、中国共産党とともに壊滅に向かっている。これは邪霊が達成しようとした目標である。

世の人は邪霊の支配から脱し、邪霊の陰謀を打ち砕く機会があるのだろうか?もちろんある。それはつまり、自ら道徳を取り戻し、目前の繁栄に誘惑されず、方向を見失うことがないようにしなければならない。この繁栄に酔いしれ、共産主義がもたらす危機を認識できなければ、人類は極めて危険な境地にさらされることになる。

つづき 第二章 赤魔の陰謀:人類を壊滅させる(下)

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