米国、「国際宗教自由同盟」を設立 宗教迫害の対応優先度引き上げへ
米マイク・ペンス副大統領は、ワシントンで開かれている第2回宗教の自由推進のための閣僚会議で演説し、宗教の自由は外交政策の重要課題だと述べた。また、宗教に対する迫害問題の解決の優先度を上げるために、マイク・ポンペオ国務長官は、米国と志を共にする国と「国際宗教自由同盟(International Religious Freedom Alliance)」を設立すると述べた。
18日に登壇したポンペオ長官によると、この同盟は、信仰の自由を実践する人々を拘束したり迫害したりする国に対して、責任を追及するという。「宗教の自由は、単にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教、人道主義者たちの懸念にとどめることはない。これはすべての人における懸念だ」と語った。
ペンス副大統領は、世界には信条を理由に殺害された人々がいると述べ、「全ての人に深い信仰に従って暮らす権利がある」と述べた。さらに米中貿易問題の行方に関係なく、「アメリカ人は信仰のある中国人と永遠に共にいる」と発言した。
この国務省主催の閣僚会議は、7月15~19日まで開かれ、世界中の宗教および指導者、市民代表ら100人以上が集まる。世界で発生している宗教の迫害問題に注意を向け、信仰の自由を促進し保護するためのアイデアを語った。
両閣僚は具体的に、キューバ、ニカラグア、ベネズエラの西半球での少数派宗教への迫害、欧州における反ユダヤ主義、イラクとシリアでのキリスト教徒とイェジディ派に対する大量虐待、および宗教的少数派への迫害について言及した。
またイラン、中国、北朝鮮における宗教迫害、そしてミャンマーのロヒンギャイスラム教徒に対する「民族浄化」にも触れた。
ポンペオ長官は18日の演説で、中国は人権状況の最悪な国と例え、「世紀の汚点」と表現した。また、法輪功学習者など信仰を持つ中国人が米国の支援を必要としていることを知っていると述べた。
長官によると、中国政府から、今回の会議に参加しないよう関係各国に圧力が掛かったと明かした。「これは中国憲法が保障する宗教信仰の自由に則っていない」と指摘した。
「あなたたちは今日ここに来られた。中国当局からの圧力に屈しなかった。われわれはあなたに敬意を示し、感謝したい」と長官は述べた。
このほど設立される、迫害の犠牲者のための国際宗教自由基金は、信仰を理由に被害に遭った犠牲者らの支援費に充てられるという。ポンペオ長官は、スリランカにおける復活祭の日曜日に発生した、クリスチャンを標的にした教会やホテルでの爆破テロで、被害を受けた人々を支援すると述べた。
17日、トランプ大統領は大統領執務室で、17カ国から来た27人の宗教的な迫害の経験者と面会した。「あなたたちが受けた苦痛は、ほとんどの人にとって耐え難いものだ。あなたたちと共にいることを、私は光栄に思う」と語った。
(編集・佐渡道世)