新疆ウイグル、10年で逮捕者が10倍に
中国当局の公式発表によると、新疆ウイグル自治区では5年以上の禁固刑、刑事裁判、逮捕者数が急増している。共産党政権は2年内で同地域における大規模な拘束、逮捕、収容および監視システムを強化させており、厳しく人口管理をしていることが浮き彫りとなった。
ニューヨーク・タイムズは9月1日、新疆高等人民検察院、裁判所、統計局、中国法年鑑などの公的機関が発表した情報をまとめた。それによると、2017年、中国の他の地域で被告の14%が5年以上の禁固刑を言い渡されたが、新疆では被告の87%にも及ぶ。
さらに、新疆の人口は全中国の人口の2%だが、逮捕者は全土の逮捕者のうちの21%を占める。2017年、新疆で逮捕された人の数は10年前と比較して10倍になった。
チベット自治区では民族および宗教習慣の除去に力を注いでいる。2016年に同自治区トップに陳全国氏が就任して以来、同地域ではウイグル族に対する非人道的な同化政策が進んでいる。2017年から、当局は刑事犯罪に対して厳重な罰を与える「厳打」運動を展開している。
米国務省、人権団体や英語圏の報道によると、新疆ウイグル自治区政府はウイグル族や他の少数民族、信仰者を百万人ほど集中管理施設に収容している。当局は大規模収容を「テロ防止」「思想矯正」「職業訓練」として正当性を主張している。
しかし、出所した人物は大紀元を含む海外メディアに対して、収容施設内では強制労働、高圧電流の走る棒で殴打、説明のない薬物注射、信仰の放棄、共産党賛歌を歌うことなどを強制されたと語っている。収容施設には、漢民族や法輪功学習者がいることも、最近米国に逃れたウイグル人の証言で明らかになっている。
米国務省マイク・ポンペオ長官は8月31日、SNSでウイグル人の集団逮捕と失踪事件について「信用に足る報告書が相次ぎ届いている」とし、「国際規範と自国の法律を侵害するこの抑圧政策を止めるよう、中国に改めて伝える」と書いた。
(翻訳編集・佐渡道世)