米政府は1月3日、イラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官などを殺害した。写真は2016年イランで撮影(STR/AFP via Getty Images)

米のソレイマニ司令官殺害、中国最高指導部に衝撃か 「警護体制を強化」との報道

米軍によるイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官殺害について、中国のネットユーザーから支持の声が上がった。この出来事は中国最高指導部に衝撃を与え、直ちに護衛体制を強化したとフランス国営ラジオRFIが報じた。

ネットユーザーの多くは、米政府のソレイマニ司令官に対する「斬首行動」は、ピンポインドで正確に特定の人物を狙えるため、「一般人が犠牲になる大規模な戦争が避けられた」と歓迎した。

一部のネットユーザーは、米政府の今回の殺害行動について、「指導者を先に(あの世に)行かせるモデル」と命名し、「世界の人々の幸せのために、これからも全体主義国家の独裁者を『先に行かせる』べきだ」とのコメントを書き込んだ。

ネットユーザーが中国版ツイッター「微博」に掲載した分析記事では、人工知能(AI)の時代を迎えた今、米軍は今後ビッグデータ、先進的な通信技術、無人機を駆使し、敵対勢力の指揮官だけを殺害する戦略を取る可能性が高いとの見解を示した。

また、「ソレイマニ司令官殺害は暗殺か」と題する別の記事は米政府の殺害計画に理解を示した。記事では、ソレイマニ氏と指揮下のコッズ部隊はこれまで、イラク駐留米軍の兵士約600人を殺害したことを挙げた。また、2007年、国連がソレイマニ司令官を制裁対象リストに追加したことにも言及した。

中国のネット検閲当局は記事と読者コメントを削除した。

中国最高指導部に衝撃

ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は10日、ソレイマニ司令官の殺害で、中国最高指導部に衝撃が走ったと報道した。

報道によると、ソレイマニ司令官の死を受け、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長とロシアのプーチン大統領は「非常に驚いた」が、中国当局の情報筋は「中国の指導者も例外ではない」と話した。

今回の出来事はイラン現政権を支援する中国当局に「警鐘を鳴らした」という。

RFIによれば、中国共産党中央政治局の常務委員7人と王岐山・国家副主席は、米政府の発表直後に顧問や分析官などを集め、緊急に秘密会議を開いた。

同報道は情報筋の話として、中国指導者らが米政府に暗殺される「可能性はゼロに近い」が、指導者らは「標的暗殺」を防ぐために、「過去最高レベル」の警護体制を整えたとした。

(翻訳編集・張哲)

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