2020年3月13日、個人の移動規制などが発動された後のイタリアの街(Marco Di Lauro/Getty Images)

<中共肺炎>伊国会議員、中国の情報不透明と非難「世界をリスクにさらした」

ヨーロッパで中共肺炎(武漢肺炎、COVID-19)の感染者が最も多く出ているイタリアの国会議員はこのほど、大紀元の取材に対して、中国の情報提供について「明らかに不透明だ」と批判した。

イタリア保健当局は、3月15日(現地時間)までに、中共肺炎の感染者が前日比3590人増の2万4747人に達し、死亡者は368人増の計1809人になったと発表した。

同国議会のアンドレア・デルマストロ・デル・ヴェドーブ(Andrea Delmastro Delle Vedove)議員は3月15日、大紀元英語電子版と中国語テレビ放送「新唐人」の共同取材に対して、「中国への依存は、経済や安保上だけではなく、国民の健康を守る上でも大きな問題だ」と指摘した。同氏は、所属政党、イタリアの同胞(Fratelli d’Italia)の外交委員会のメンバーである。

同議員は、中国は安全かつ透明性のある国ではないと非難した。「中国は世界貿易機関(WTO)のメンバーであるにも関わらず、ルールを順守せず、WTOを利用しているだけだ。今も同じことをやっており、世界各国は公衆衛生上のリスクに晒されている」と語った。

海外複数のメディアは、イタリア国内の医療体制が限界に達したと報じた。米紙ワシントン・ポストは3月13日、同国北西部ロンバルディア州(州都はミラノ)では、病院の集中治療室(ICU)のベッド数が足りていないと報道した。同州保健当局トップのジュリオ・ガレラ(Giulio Gallera)氏は、医療機関のキャパシティー(処置能力)を対応可能までに拡大するには「5~7日間かかる」と述べた。

「原子爆弾が爆発したらどうすればいいかと聞いているようなものだ」と、ロンバルディア州の集中治療室の責任者であるペセンティ氏はワシントン・ポストに話した。「敗北宣言をする。救える命を救っている」

伊メディア「fanpage.it」3月6日付によると、ジュリオ・ガレラ氏は、中国当局が提供した感染情報に不信感を示した。

ガレラ氏は、感染は「中国側が提供した予測やデータと比べて、より速いペースで広まっている」と警告した。同氏によると、2月28日時点で、同地域の病院のICUに搬送された患者が50人だったのに対して、3月5日には244人に急増したと明らかにした。

同国のコンテ首相は、10日に全土で個人の移動規制を実施し、11日に全国の飲食店などの店舗を2週間閉鎖すると発表した。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
海外旅行をする人は、通常、旅行代理店が手配し、旅行先で注意すべきこと、やってはいけないことなどを伝えられます。特にヨーロッパでは、さまざまな国や習慣があるため、その国の習慣を覚えておくと安心かつ、より楽しめます。
[ローマ 29日 ロイター] - イタリア大統領選は29日に第8回目の投票が行われ、マッタレッラ大統領(80)が再選される形でようやく決着した。当初ドラギ首相が次期大統領の最有力候補とされたものの主要政党間の合意形成が難航し、これまで7回にわたる投票ではどの候補者も、当選に必要な上下両院議員や州の代表などの過半数票(505票)を獲得することができなかった。こうした中でマッタレッラ氏を支持する動きが
チェコとイタリアのシンクタンクはこのほど、中国当局によるイタリア政界への浸透工作について研究報告書を共同作成し発表した。報告書は、中国側はイタリアの中央政府や議会、地方政府に対して全方位から勢力浸透を行っていると指摘。
ロイター通信23日付によると、イタリアのマリオ・ドラギ首相は中国企業による同国のスクリーン印刷企業への買収案を承認しなかった。同氏は今年2月に首相に就任してから、すでに中国企業の買収を2回却下した。
ロイター通信は16日、3人の情報筋の話を引用し、イタリア政府は中国国営企業がイタリア政府の承認を得ずに、同国の軍用ドローン製造企業の株式を取得したことを批判したと伝えた。