中国共産党による秘密の高度人材獲得センターは、日本にも46カ所あるという(GettyImages)

中国共産党による秘密の高度人材獲得拠点 日本にも46カ所=豪シンクタンク

豪シンクタンク・戦略政策研究所(ASPI)はこのほど、中国共産党が違法または不正な手段で、海外から高度技術を持つ人材を獲得しているとの報告を発表した。中国の「千人計画」をはじめとする人材獲得運動は、知的財産の窃盗やスパイ行為に関連し、人民解放軍の現代化に使用されている。その中国の求人ネットワークは、日本を含め600拠点あり、規模は拡大しているという。

ASPI研究員アレックス・ジョスキ(Alex Joske)氏による新報告「鳳凰狩り(Hunting The Phoenix)」は、中国共産党が米技術大手テスラや米ハーバード大学などに所属するような世界トップクラスの科学者を中国に迎え入れるために、秘密裏の広範な求人ネットワークを活用していると指摘した。

中国共産党は「千人計画」をはじめ200あまりの海外高度人材獲得計画を持つ。中国当局は、これらの計画で2008~16年の間に6万人もの海外の科学者や専門家を採用したとしている。しかし、ジョスキ氏によれば、これとは別に、存在が公にされていない世界600カ所ほどの「海外人材獲得センター」が存在し、高度人材をリクルートしている。

▶ 続きを読む
関連記事
中国政府が進める海外高度人材招致プログラム「千人計画」への関与を隠蔽していたとして有罪判決を受けたハーバード大 […]
米共和党の上院議員2人は7月29日、エネルギー省(DOE)の国立研究所に就職を希望する中国やロシアからの外国人 […]
中国による米国の情報の不正取得は、科学技術の分野を超え、中央銀行に当たる連邦準備銀行(FRB)にまで及んでいる […]
米司法当局は7日、2人の中国系学者に経済スパイなどの罪でそれぞれ有罪判決を言い渡した。専門家は、中国政府は米国 […]
トランプ米政権下で司法長官代理を務めたマシュー・ウィテカー氏は、司法省が人種差別を煽っているとして取りやめた「チャイナ・イニシアチブ」について中国共産党の国家安全保障の脅威に対処するものだったと強調した。