中ロイランがインド洋で合同演習を予定 日米豪共同訓練時期に重なる
中国、ロシア、イランの3カ国がインド洋で合同軍事演習を行う予定があると、ロシアの駐イラン大使が明らかにした。時期は、グアム周辺で行われる日米豪共同訓練「コープ・ノース」と重なる。この動きに対し、米中央軍の司令官は、米軍は中東でますます厳しい軍事競争にさらされていると話した。
ロシアの駐イラン大使レバン・ジャガリャン氏は8日、ロシアメディア、RIAノーボスチの取材に対し、中国、ロシア、イランの3カ国合同軍事演習が2月中旬に予定されていると述べた。演習には捜索救助訓練、および航行の安全確保訓練が含まれるという。
中東で中国、ロシア、イランの3国が軍事演習を行うのは今回が初めてではない。アメリカが2018年にイラン核合意を離脱し制裁を課したあと、中東の情勢は緊張感が増した。アメリカは2019年5月と6月に発生したタンカー攻撃事件にイランが関与していると非難し、イランはこれに対抗してホルムズ海峡の封鎖を警告した。2019年12月、中国、ロシア、イランは石油輸送の要衝であるオマーン湾で、合同軍事演習を行った。オマーン湾はアラビア海とホルムズ海峡を結ぶオイルロードの1つで、世界の原油、約5分の1が通過する。
イランとの緊張した関係に鑑み、トランプ前大統領は今年初め、空母ニミッツに対して中東の海域にとどまるよう命じていた。しかし、バイデン大統領は就任後、ニミッツ号の本土帰還を命令、その少し後にロシアは3カ国合同軍事演習を行うと発表した。
中東で激化する米中露3国間競争
アメリカ中央軍(CENTCOM)の司令官ケネス・マッケンジー将軍は8日、イランの行動は、アメリカ中央軍の任務地域に不安定さをもたらす最大の要因となっていると述べた。
マッケンジー将軍は、中東研究所のオンライン会議で行った基調講演の中で、「米国は、ロシアと中国との競争に直面している。両国はともに外交的、軍事的、経済的手段を組み合わせることで、この地域での影響力を勝ち取ろうとしている」と述べた。「こうした競争は様々な要素が入り乱れるこの地域に、さらなる緊張と不安定さをもたらすだけだ」
将軍によると、ロシアは米国の影響力を弱体化させようとしているだけでなく、「石油生産協定の維持から、核エネルギーの輸出、武器販売」という経済的利益をこの地域に見出している。そして、ロシアはシリアとスーダンに恒久的な軍事基地を建設しようとしていると指摘した。
マッケンジー将軍はまた、中国のこの地域に対する関心は主に経済であり、国内で消費する原油の半分をこの地域に依存していると述べた。さらに、中国は一帯一路計画と中国パキスタン経済回廊を利用して、この地域での影響力を拡大していると付け加えた。
(MIMI NGUYEN LY/翻訳編集・文亮)