3月24日、道路にバリケードを設置する若いデモ参加者(Stringer/Getty Images)

ミャンマー、民間人に対する軍事力の行使を非難 日本を含む12カ国の軍制服組トップが異例の共同声明

陸海空自衛隊の指揮組織・統合幕僚監部の幕僚長である山崎幸二陸将は3月28日、ミャンマーで起きている事態に対して、同国軍による暴力行為を非難し、平和的な解決を求める12カ国の制服組トップの共同声明を発表した。声明は、ミャンマーの事態に対してオーストラリア、カナダ、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、デンマーク、オランダ、ニュージーランド、韓国、英国、米国の参謀長などが参加。政府首脳や外相など文民ではない軍事組織トップによる非難声明はまれ。 

声明は「参謀長などとして、我々はミャンマー国軍と関連する治安機関による非武装の民間人に対する軍事力の行使を非難する」とし、「プロの軍隊は、行動の国際基準に従うべき。自らの国民を害するのではなく保護する責任がある」と指摘。「我々はミャンマー国軍が暴力を止め、その行動によって失ったミャンマーの人々に対する敬意と信頼を回復するために努力することを強く求める」としている。

ミャンマーでは2月、クーデターが発生し、全土が軍事政権の支配下に置かれている。外務省によると継続的な市民への武力弾圧が起きている。3月27日にも、ヤンゴン市内および各地方で軍事政権に反対するデモ活動があり、当局の発砲による死亡事案が発生したという。また、各地で、デモに参加していない住民に対する暴力も報告されている。

当局による制圧のための動きは一層厳しくなっているとみられる。国軍記念日を迎え、首都ネピドー郊外では国軍が軍事パレードを行った。クーデターに抗議する市民らはデモを実施。オンラインメディア「ミャンマー・ナウ」によれば、デモ参加者に対して、治安部隊が発砲し、少なくとも114人が死亡したという。

27日、国連のグテレス事務総長は声明で、暴力を伴うデモ鎮圧で多数の死者が出たことについて「最も強い言葉で非難する」と表明。国際社会に「一致して断固とした対応」を取るよう呼び掛けた。10日、国連の安全保障理事会は、ミャンマーでの状況を非難する議長声明を採択した。

(佐渡道世)

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