≪医山夜話≫ (13)
優秀な女医が残した人生の遺憾
私の友人に、ケイシーという女医がいました。彼女が勤める病院は私の診療所の近くだったので、私たちはよく互いに患者さんを紹介していました。有能で美しいケイシーは私と同年齢でしたが、不幸なことに、彼女は不治の病に冒されてしまいました。私は7年間、彼女が病気を患ってから亡くなるまでの全過程を見守りました。彼女のことを思い出すと、悲しみで胸が一杯になります。
ある日、彼女は患者として私の診療所を訪れました。問診票の空白のところに、「末期がん、余命1~2ヶ月。神さまも私自身もあきらめています。ここに来たのは一時的な痛み止めの手段を得るためです」と書きました。
当時、彼女はいつもかばんを背負っていました。かばんの中にはモルヒネ注射の容器が入っており、容器に繋がれたチューブの一端が彼女の身体の中に挿し込まれています。
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