英議会、北京五輪の外交的ボイコット動議を可決
英議会下院では15日、北京冬季五輪の外交的ボイコットを求める動議が全会一致で可決された。決議は政府に対し、中国政府が新疆ウイグル自治区での人権侵害や英国市民・組織への制裁をやめなければ、選手団以外の外交使節の参加を見送る「外交的ボイコット」を実施するよう求めた。
動議では、国際的なスポーツイベントであるオリンピックは、大規模な残虐犯罪に関与している国で開催されるべきではないとした。
また、中国当局が新疆ウイグル人に対して行っているジェノサイドは「今も進行中」であることを指摘した。
この動議は、英国市民や団体に対する制裁を解除することを北京に求めた。英国では、この動議の発起人でもある「複数政党制の香港グループ」のメンバーのティム・ロートン(Tim Loughton)議員や、「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」のメンバー4人が制裁解除の対象にされた。
国際的な超党派議会連盟IPACの後押しを受け、十数カ国の議員は6月、各国議会に決議案を提出し、北京五輪へのボイコットを呼びかけた。
議員らは、代替開催地を探すよう国際五輪委員会(IOC)に求め、国連に対し、ウイグル人やチベット人が受けている暴行に関する調査を促している。
ロートン氏は15日、中国に変化をもたらそうとする英国の過去の試みは失敗したと指摘した。
「2008年、オリンピックの開催地を北京に決定した時、IOCは『オリンピックは中国の人権改革の活性剤になる』と約束した」
「しかし、その後、新疆で公認のジェノサイドが発生し、無数のチベット人が逮捕さ、投獄、追放、拷問および殺害された。続いて、彼らは香港の言論の自由と政治の自由を破壊し、国家安全維持法を実施した」と同氏は述べた。
ロートン氏は「日経アジアンレビュー」に対し、米国と欧州議会で同様の動議が可決されれば、他の国に同調の圧力がかかるだろうと語った。
今回可決された決議には法的拘束力はないが、下院議員全員が支持を表明した。
(翻訳編集・李凌)