欧州議会、輸出管理改正案を承認 中国への軍民両用技術流出を念頭に
米ラジオ・フリー・アジアによると、欧州議会は9日、欧州連合(EU)当局が提出した輸出管理規制法規の改正案を承認した。改正案は人権の保護と人間の安全保障の観点から、ドローン、特定の化学薬品、顔認証などのサイバー監視技術製品など、民生と軍事の両方の用途に利用可能な「二重用途物品」に対する輸出規制をさらに強化した。
欧州議会のマルケタ・グレゴロヴァ(Markéta Gregorová)議員によると、EUは二重用途物品の輸出規制改革で、人権の保護と人間の安全保障をEUの輸出政策の最優先課題に位置付けた。議員は、サイバー監視技術製品の輸出規制強化と企業側への情報開示要求で、「われわれの顔認証技術や他のハイテク技術が、人権を侵害している中国当局や他の全体主義政権に渡ることを防げる」と述べた。
同議員は、新疆ウイグル自治区での人権問題をめぐって、中国当局が3月、欧州議会の議員5人を制裁対象に指定したことを非難した。「中国当局は反体制派を排除するだけでなく、サイバー監視技術を通して、中国国内や欧州にある企業の内部を支配しようしている。これは全く受け入れられない」と議員は指摘した。
リーゼ・シュラインマーハー(Liesje Schreinemacher)議員は、新疆のウイグル人収容施設や香港市民の民主化運動への弾圧を挙げ、「欧州の技術は、EUの価値観に反する国に利用されてはならない」と話した。
EU当局は、加盟国が輸出管理規制に関する報告を強化するよう期待している。サイバー監視技術製品のカテゴリーに属する商品の輸出を透明化するだけでなく、生体認証監視技術製品の輸出規制も強化することを望んでいるという。EUは、将来新たな監視技術や人権侵害の可能性のある技術が現れた場合、同技術を速やかに輸出規制の対象にするとした。
(翻訳編集・張哲)