スイスのあるアマチュア考古学者が、同国南東部の丘で、2000年の歴史を持つ古代ローマの短剣を発見した。紀元前15年頃、古代ローマ人がこの地域の部族と衝突して戦場に残したものと推定される。
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この戦場跡地はスイス南東部の人里離れた場所にあり、グラウビュンデン州のティーフェンカステルとクンターの間にある峡谷の近くにある。約2000年前、この地で古代ローマ人とクンター近くのラエティ族が交戦したという話も伝わっている。
事実、考古学チームは2003年にこの近くで古代ローマ軍の痕跡を発見したが、これまでの考古学調査で遺物はすでに掘り尽くされたと考えられていた。
しかし、地元のアマチュア考古学者、ルーカス・シュミットさんは、この地域にはまだ遺物が残っているはずだと考えていた。そこで、2018年から金属探知機を使って探し続けた。
1年後の2019年春、彼はついに地下30センチのところで、本当に華麗な古代ローマの短剣を掘り出した。短剣は十字型の持ち手で、真鍮や銀などの装飾が施されていた。
特筆すべきは、この新しい発見がバーゼル大学の考古学チームを驚かせたことである。2021年9月、彼らはこの面積約3万5000平方メートルのエリアを引き続き探索した。その結果、さらに数百点にのぼる遺物を見つけた。
出土した遺物には、保存状態のよいマンゴネル (中世の城攻めの武器) 、ローマの硬貨、鉛の投石玉、矢、槍、盾、その他の防具、そしてカリガと呼ばれる古代ローマ兵士の軍靴の鋲などがあった。
この場所で発見されたコインと軍靴の鋲の種類は、戦闘の発生時期を推定する有力な証拠となる。
シュワルツ教授は、バーゼル大学がグラウビュンデン州や連邦政府関係機関と共同で進めている発掘作業は、2022年もこの地域で行われる予定で、さらなる発見が期待されると述べている。
(翻訳・橋本龍殻)
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