プロバイオティクスは、多くの自然食品に含まれていますが、最も一般的な源はヨーグルトです。(Shutterstock)

「ヨーグルトを毎日食べましょう」その10大効能に注目!

プロバイオティクスとは、人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)のことで、多くの食品のなかに自然に存在します。

西洋の食材でいえば、プロバイオティクスの最も一般的な源はヨーグルトです。

牛乳を飲むことが苦手な人もいるように、乳製品が全ての人に適しているわけではありません。しかし、発酵乳製品は潜在的なアレルゲンを大幅に減らしますので、より多くの人に健康上のメリットをもたらすことが期待できます。

また、ヤギの乳をベースにしたヨーグルトは、人乳に近い栄養成分を持つため、牛乳を原料とする製品が体質的に合わない人にとっては優れた代替品になることも考えられます。

ヨーグルトの健康増進効果が実証されている「10の利点」について、以下に挙げます。

1、死亡率を下げる

ニューヨーク市立大学の大規模な研究によると、1日にヨーグルトや発酵乳を2杯食べる人は、ヨーグルトをほとんど食べない人や全く食べない人と比べて、死亡率が低いことが分かりました。ヨーグルトを食べることにより、心臓病やがんによる死亡率も下がります。

2、筋骨を強くする

ニューヨーク市立大学の同研究では、ヨーグルトを多く食べる人ほど股関節骨折の発生率が低くなることが分かりました。

女性の場合、ヨーグルトを常食する人は、食べない人に比べて股関節骨折の発生率が30%から51%減少することが明らかになっています。ヨーグルトを食べる男性は、そうでない男性より股関節骨折の発生率が25%少なかったと言います。

また、スウェーデンで6万人の女性を最長20年間追跡調査したところ、発酵乳(ケフィアまたはサワークリーム)を毎日食べる人は、食べない人に比べて股関節骨折のリスクが10%から15%低かったという結果が得られました。

3、糖尿病を予防する

ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者が、毎日ヨーグルトを食べる人ほど2型糖尿病のリスクが低いことを発見しました。

研究者は「わずか1オンス(約28g)のヨーグルトを毎日食べることが、2型糖尿病のリスクを18%減らすことに関係している」として、ヨーグルトの常食が糖尿病予防に役立つ可能性を示唆しています。

4、血圧を下げる

アメリカ心臓協会の研究によると、「摂取するカロリー総量を増やさずにヨーグルトをより多く食べると、高血圧リスクを減らすのに役立つ可能性がある」と言います。

研究者は、15年以上にわたって、実験開始時の血圧が正常だった2000人以上を追跡しました。その結果、「摂取カロリーの少なくとも2%をヨーグルトから摂取すると、高血圧になる可能性が31%低下することが分かった」としています。これは、3日ごとに6オンス(約170g)のヨーグルト1カップを食べることに相当します。

5、体重をコントロールする

『アメリカ臨床栄養学雑誌』のメタアナリシスでは、頻繁にヨーグルトを食べる人ほど、時間とともに体重が減る可能性が高いことが分かりました。

肥満の人を対象にしたカロリー制限食の研究で、被験者34人のうち半数の17人をランダムに割り当て、6オンスのヨーグルトを1日3回食べさせました。一定期間が過ぎた後、他の17人と比較したところ、ヨーグルトを食べたグループは体重が33%、体脂肪が60%、除脂肪体重が31%減少していました。

6、虫歯を減らす

日本の3歳児2058人を対象にした研究では、1週間に4回以上ヨーグルトを食べる子供は、ヨーグルトを食べる回数が週1回以下の子供より、虫歯率が22%低いことが明らかになりました。

7、腸の健康維持に役立つ

アルゼンチンの研究者は、便秘気味の女性を対象にした28日間の研究で、1日2回ヨーグルトを食べると腸の動きが促進され、腹部の膨張と痛みが軽減することを発見しています。

また、ブラジルで実施された研究では、生後1カ月から30カ月の持続性下痢症状をもつ乳児154人にヨーグルトベースの粉ミルクを与えたところ、下痢症状の期間が短縮されることが分かりました。

8、風邪を予防する

2つの独立した研究によると、それぞれ「ヨーグルト摂取により、風邪を予防できる可能性がある」という結果が得られました。

健康な高齢者を2群に分けて、8週間または12週間にわたり、片方のグループは毎日90gのヨーグルトを食べ、他のグループには100ccの牛乳を飲んでもらいました。

その結果、インフルエンザではない通常の風邪に罹るリスクは、ヨーグルト群を基準にした場合、牛乳群は約2.6倍と高かったことが分かりました。

また同研究では、ヨーグルト群のもつナチュラルキラー細胞の活性は、牛乳群より明らかに高かったと言います。

9、心の健康を得られる

ある実験で70名の被験者をランダムにABCの3群に分けます。

それぞれ毎日の役目は、A「プロバイオティクスヨーグルトを100g食べ、試験用偽薬のカプセルを服用」、B「プロバイオティクスカプセルを服用し、非プロバイオティクスヨーグルト100gを食べる」、C「非プロバイオティクスヨーグルト100 gを食べ、偽薬カプセルを服用」です。

6週間後、被験者の精神的健康状態について検査したところ、プロバイオティクスヨーグルトまたはプロバイオティクスカプセルを服用した人、つまりA群とB群の人が「抑うつ、不安、ストレス」のレベルが大幅に改善されていることが分かりました。

10、環境毒素への抵抗性を高める

タンザニアのビクトリア湖は、水銀などの有毒金属を含む殺虫剤に汚染されていることが知られています。

研究者は、プロバイオティクス乳酸菌であるラクトバチルス・ラムノサスを含む新しいヨーグルトを作り、同国の妊婦のグループにヨーグルトを配布して、一定期間摂取してもらいました。

その結果、環境毒素の水銀とヒ素に対して、プロバイオティクスは妊婦を保護する効果があることが分かりました。

最後に、どのようにすれば「良質のヨーグルト」が入手できるか、お話ししましょう。

残念ながら市販の安価なヨーグルト製品のほとんどは、砂糖や調味料、防腐剤、増粘剤などが添加された「ジャンクフード」なのです。

本来、ヨーグルトの成分は「牛乳と善玉菌」。これだけです。

そこで、ヨーグルトを購入する際はラベルの表示をよく確認してください。健康的な菌が生きているヨーグルト、あるいはオーガニック表示のあるヨーグルトを選択します。

可能ならば、ご自宅でヨーグルトを作ってみるのもいいですね。

牛乳を温め、良いタイミングで発酵促進剤(あるいは種のヨーグルト)を加えた上、適温の場所で一晩寝かせます。詳しい作り方は、インターネットで見られます。

コツさえつかめば、「安全安心の健康ヨーグルト」を簡単に作ることができますよ!

(文・Margie King/翻訳編集・鳥飼聡)

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