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ファンタジーに満ちたバレエ舞踊劇「くるみ割り人形」(上)

ロシア・ロマン派の作曲家ピョートル・イリイチ・ピーター・リンチ・チャイコフスキー(1840-1893)は、19世紀ロシアの偉大な作曲家、音楽教育者であり、ロシア音楽の巨匠と称されています。

チャイコフスキーの作品はかなり多く、大型作品だけで、オペラ10曲(代表作:「エヴゲーニイ・オネーギン」、「スペードの女王」)、交響曲6曲、代表作(「交響曲第五番」、「交響曲第六番」)、協奏曲4曲、代表作(「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」、「バイオリン協奏曲ニ長調」)。舞踏劇3曲など多岐にわたりますが、チャイコフスキーが作曲した中でも最も有名なのは、、バレエ音楽「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」でしょう。

チャイコフスキーの音楽は、叙情的でドラマチック、そして人間の心理の細部にまでこだわっており、そのメロディーは、ロシア民族風のロマンティックな魅力的な作風で、人類の音楽の宝物の一つといえます。

中でも「くるみ割り人形」は、「白鳥の湖」とともに最も人気のある、最も愛されているバレエ音楽の一つです。 原作は1816年にドイツのロマン派作家エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンが『くるみ割り人形とねずみの王様』として発表され、1844年にアレクサンドル・デュマがフランスの物語に脚色したもので。その48年後、チャイコフスキーはこの物語をもとに譜面を書き、バレエダンサー、マリウス・プティパの手によってバレエに持ち込まれました。 それ以来、『くるみ割り人形』は世界で最も有名なバレエのひとつとなったのです。  

序曲と2幕からなるバレエ「くるみ割り人形」は、クリスマスが舞台です。

クリスマスイブの日、クララはクリスマスに、叔父さんからくるみ割り人形をプレゼントされ、もらった大事なくるみ割り人形を見るために居間に行き、ソファで眠ってしまいます。 そして時計が12時を告げたとき、クララの身体はみるみる縮んでいきます。しばらくすると灰色のネズミの一団がリビングルームになだれ込んできて、クララはくるみ割り人形がおもちゃの兵隊たちと一緒にネズミの大群と戦っているのを目撃します。そして戦いはくるみ割り人形とネズミの王様の一騎打ちとなり、くるみ割り人形は窮地に陥ります。それを見たクララはスリッパを手に取り、ネズミの王に投げつけ、ネズミの王は逃げ出しました。するとくるみ割り人形はハンサムな王子になりました。

王子はクララを親切に、雪の世界を旅してお菓子の王国へ行くよう誘います。 雪の精たちが「雪片のワルツ」を踊り、王子と雪の女王で踊り、その後、彼らは旅を続けます。

第2幕ではお菓子の国の女王、金平糖の精がクララを歓迎します。 そしてお菓子の精たちが次々と、チョコレート(スペインの踊り)、コーヒー(アラビアの踊り)、中国の踊り、トレパーク(ロシアの踊り)など踊りを繰り広げ、そしてチャイコフスキーの最も有名な舞曲の一つである花のワルツを踊ります。

その後、金平糖の精と王子が、これも有名なグラン・パ・ド・ドゥを踊ります。 それに続く金平糖の精の踊りでは、特徴のある音楽で、ダンサーのつま先の動きの巧みさが見事に際立っています。 最後に、お菓子の国のすべての精たちが笑いと喜びの踊りを披露しました。そうして楽しい夢はやがて終わりを迎えます。

翌朝クララが愛するくるみ割り人形を抱いてソファで目覚め、良い夢を見たことに気づいたところで終わるのです。

(翻訳・李明月)

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