5つの物質が、働き者である肝臓を助けます。(Shutterstock)

コーヒーで脂肪肝のリスクを軽減 5つの物質が肝臓を守る(2)

肝臓は、代謝、血糖、血漿、コレステロールの生成、血液中の毒素の除去・分解など、健康に欠かせない多くの生体プロセスを調整し、体内で最もよく働く臓器の一つです。有害物質が多い現代社会では、生命を左右する肝臓を守ることがとても重要です。

前回に続いて今回は、働き者である肝臓を助ける5つの物質のうち、残り3つをご紹介します。

3.アセチルシステイン

アセチルシステイン(NAC)は、アミノ酸であるL-システインの前駆体で、強力な抗酸化物質です。L-システインは鶏肉、卵、ヨーグルト、硫黄を多く含む野菜などの食品に含まれていますが、NACはサプリメントの形でしか入手できません。フリーラジカル、特に酸素分子を消去する役割を持つため、肝臓疾患の主要な要因である酸化ストレスの治療において強力な味方になる可能性があるとされています。

鎮痛のためにパラセタモール(APAP)を大量に使用することは、リスクが高いと認識されつつあるものの、依然として一般的なことです。米国FDAは、患者が過剰摂取する傾向があるため、処方箋鎮痛剤に含まれるAPAPの量を制限するよう製薬会社に求めています。本剤の過剰摂取は、重篤な肝不全、あるいは致命的な肝不全につながる可能性があります。

NACは、p-アセチルアミノフェンの毒性を効果的にブロックすることができることなどから、肝保護物質として期待されています。2015年の米国の研究では、アセトアミノフェンの過剰摂取から8時間以内にNACを摂取すると、肝障害を抑える効果があることが示されました。この研究は、市販のサプリメントであるNACの使用が、「大量のアセトアミノフェンの毒性に対抗する便利で効果的な方法を提供する可能性がある」ことを示唆しています。

4.ジンセノサイド

ジンセノサイドは、炎症や病気に対する身体の反応に重要な役割を果たし、肝臓病の予防や治療に素晴らしい可能性を示しています。ジンセノサイドは、アセトアミノフェンによる肝障害を改善する効果があることが、臨床研究によって明らかにされています。

最近、アメリカ化学会「ACS Omega」誌に掲載された別の研究では、ジンセノサイドの抗炎症作用が肝臓による脂肪の健全な代謝を促進し、脂肪肝患者の肝臓障害を軽減する可能性が示唆されています。ジンセノサイドは高麗人参の根から抽出された強力なポリフェノールで、サプリメントの形になっているので、スムージーや栄養シェイクに加えるのに適しています。

5.ビタミンE

ビタミンEは、小麦胚芽、ナッツ類、種子類、緑黄色野菜など、多くの食品に含まれる脂溶性の栄養素です。ビタミンEの抗酸化作用は、目の健康や血液や組織の質に重要であり、健康な肝機能にも重要な役割を果たします。無作為化比較試験のメタアナリシスでは、ビタミンEの補給が非アルコール性脂肪性肝疾患患者の肝機能と肝細胞および組織の質を有意に改善することが明らかになりました。

また、ビタミンEは、ホルムアルデヒドによる酸化的障害から肝臓を保護する可能性があります。ホルムアルデヒドは、カーペット、カーテン、木製キャビネット、家具などのほか、接着剤、塗料、殺虫剤、化粧品、洗剤などの製品に含まれ、現在最も一般的な家庭用および工業用有害物質の一つです。

著者について:GreenMedInfo研究グループは、現代の重要な健康・環境問題を調査することを目的としています。

(翻訳・香原咲)

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