六芸ーー教養ある君子(紳士)に育つための6つのスキル(下)【雅(みやび)を語る】
前回は「礼」と「楽」が人に与える影響についてご紹介しました。今回は残りの「射」「御」「書」「数」について話したいと思います。
中国神話で「大羿射日」という有名な話があります。戦国時代の曾侯乙墓(そうこういつぼ)から出土した箱の表面に「大羿射日」のお話が刻み込まれていました。「射」(弓術)はすでに夏王朝の時から普及し、周王朝の時には射礼制度(大射礼、燕射礼、賓射礼、郷射礼)が健全化され、文武両道の精神が込められています。武の方面は、主に狩猟や戦いの時の武術を指し、文の方面は、自らの人徳や品位などを養うことを指します。
夏王朝から清王朝まで、長い時代の中で、弓術は非常に重要な芸で、多くの皇帝、例えば、唐の初代皇帝李淵や、唐の太宗李世民、モンゴル帝国初代皇帝のチンギス・カン、清王朝の康熙帝、乾隆帝など、皆弓の名手です。
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数字にはどのような役割があるのでしょうか。実は古代中国において、数字は単なる計算のための存在ではなく、奥深い理論に裏付けられた深い意味がありました。それぞれの数字が持つ意味を知れば中国文化をよりよく理解できるだけではなく、きっと中国人からも人目置かれることでしょう。