科学者の研究により、毎日コーヒーを飲む人は死亡リスクが低く、痛風になるリスクも低いことが分かっています。
中国の南方医科大学による「コーヒーと全死因死亡率の関係」の研究結果が、2022年7月に科学雑誌『Annals of Internal Medicine』に掲載されました。そこで、朝一杯のコーヒーを飲むことが死亡リスクの低下と関連する可能性があることが示されました。
研究者たちは、37歳から73歳の17万人(がんや心臓病がない人)を追跡調査した結果、無糖のコーヒーを少しでも飲んでいる人は、コーヒーを飲まない人に比べて死亡する確率が16〜21%低く、スプーン1杯の砂糖を入れても1日1.5杯から3.5杯のコーヒーを飲むと、コーヒーを飲まない人に比べて死亡率が30%低下したのです。そして、コーヒーを飲まない人に比べて、1日3杯飲む人は死亡リスクが最も低いという事がわかりました。
カフェインが含まれているかどうかにかかわらず、コーヒーを飲む人の死亡リスクは最も低いことが分かりましたが、コーヒーに人工甘味料を加えている人のデータについては、結論が出ていません。
日本の東京大学医学部の鄭潔氏は、「これは観察研究であり、健康的な食事や一貫した運動習慣など、死亡リスクを減らす生活習慣が他にもあるかもしれない」と、大紀元に語っています。
日本の防衛大学校と大阪大学の共同研究であるゲノムワイド関連解析は、コーヒー習慣を維持することが痛風の発症リスクを減らすことにつながることを明らかにしました。今後、コーヒーの成分を分析することで、痛風発症のメカニズムや予防法が明らかになるのではないかと研究者は考えています。
研究者によると、新型コロナウイルスの流行の影響で、ストレスや体重が増加し、生活習慣病が増加したとのことです。尿酸値が高い状態が続くと、痛風を発症し、関節痛などを引き起こすことがあります。
研究チームは、15万人以上を対象に、1週間に飲むコーヒーの量、尿酸値、痛風のリスクとの関連性を調査しました。1 週間あたりのコーヒー摂取頻度を 0〜7 回の 8 段階に分類し、コーヒーを飲む日数が週に1日増えると、痛風の発症リスクが25%減少することが明らかになりました。 (1日あたりのコーヒー摂取量や頻度は未調査)。
研究者は、尿酸値が高くても痛風になりにくい人がいることを強調し、痛風のリスクに影響する他の要因があることを示唆しました。コーヒー摂取による尿酸値への影響はまだ不明ですが、コーヒーには痛風患者を保護する作用があることが確認されており、痛風治療薬の開発に役立つと考えられます。
鄭潔氏は、コーヒーには、カリウム、マグネシウム、ナイアシン、ビタミンB、クロロゲン酸、カフェイン、ポリフェノール、フェヌグリークなどが豊富に含まれており、何らかの抗酸化作用、神経刺激作用、代謝促進作用があると語っています。健康な成人が毎日定期的かつ適度にコーヒーを摂取することは、多くの疾患の改善や予防に役立つのです。
また、健康な成人の場合、カフェインの摂取量は1日300mg程度に抑えたほうがよく、400 mg以上に増やすと、緊張や睡眠障害など不安に関連する症状が出ることがあると注意を促しました。ただし、カフェインに対する感受性は人それぞれであり、摂取量はケースバイケースで判断する必要がありますし、その他の特殊なグループの人々については、その都度、計量していく必要があります。
(翻訳編集 香原咲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。