(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(3) 「暗く果てしない道」

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高智晟著『神とともに戦う』(2)「いつになったら腹一杯食えるのか」

私は家路に着いた。その初日、黄陵まで一気に40キロも歩いた。何も口にしていなかったので、ひどくお腹が空いていた。ある食堂を通りがかると、中では油条(細長い揚げパン)を揚げている。当時はもう旧暦の11月だったのに、ボロの服しか身にまとっていなかった。それを脱ぎ、「もう腹ペコで死にそうです。油条2本と換えてくれませんか」とささげるようにして相手に差し出した。30過ぎの人は、「小僧、看板を良く見ろ。お前が物乞いに来るところか」と言いながら、両手で私の首をつかんで追い出した。顔を上げて見ると、そこには「国営食堂」と書かれていた。(96年陜西省に里帰りした際、わざわざここまで足を運んだ。相変わらず食堂ではあったが、当時の国営食堂は個人経営になっていた。)

食堂を追い出された私は、石炭を運ぶ軍の車両に出会った。立派な軍服をまとった人が車両から降りてきた。幼いころから、解放軍がどれほどすばらしいか聞かされて育ったので、駆け寄ってひざまずき、彼の足にしがみついた。そして、「軍人さん、もう腹ペコで死にそうです。何か食べるものを恵んでください」とすがった。鼻水と涙でグショグショになって哀願したが、全く相手にされなかった。視線を上げると、彼の目は通り過がりのきれいなお嬢さんに釘付け。私の言葉など耳に入らないのだ。この時の物乞いも失敗に終わった。

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【大紀元日本8月8日】中国政府による人権弾圧を非難したため「国家政権転覆扇動罪」で投獄されていた中国の人権弁護士・高智晟氏(50)は刑期満了の7日に釈放された。関係者から早くも「今後も当局による監視が
米キリスト教系人権団体、対華援助教会の会長である傅希秋・牧師は11月10日のツイッター上で、中国の有名な人権派弁護士、高智晟氏(50)からの私信を公開した。11月3日に書かれたこの手紙の中で、健康な歯は3本しかないという高氏は、「政府は、私が歯医者に行くことは国家安全に脅威をもたらすと恐れるため、頑として治療を受けさせてくれない」と皮肉ながら、自身の置かれた現状を明かした。
中国の著名人権派弁護士、高智晟氏が新たな著書の出版を娘の耿格さんに委託する形で発表された。共産党が2017年に崩壊するとの大胆な予測を含んでいることもあって、海外から大きな注目を集めている。だが耿さんは、この本の出版が発表されてから高氏とまた連絡が取れなくなっていることを明かした。
 法輪功を弁護したことで迫害されている人権弁護士は16日、6月に発表した新著を大紀元中国語ネット版に無料公開した。本は、中国当局による拷問や家族への嫌がらせ、共産党政権の崩壊と次世代の中国社会の予測をつづったもの。
中国共産党により、約十年前から迫害されている中国本土在住の人権弁護士・高智晟氏は、米大統領選前に「絶対にヒラリーに投票しない」との文章を大紀元に寄せていた。同氏の主張で、秘密警察から聞いたところによると、ヒラリー氏は中国人権問題に言及しないようにとの中国側の要求を受け入れて、高額な賄賂を受け取っていたという。下記はその文章の抄訳。