陸軍司令部の参謀長である陳建義中将は、来年からの兵役志願者および義務兵役を服する国民について、新兵の訓練期間中、基本的な動作、手榴弾の原理、安全規定などから教育を始め、実弾での手榴弾の投擲訓練を段階的に実施すると述べた(Photo by SAM YEH/AFP via Getty Images)

台湾が手榴弾を増加 実弾投擲訓練で戦争に備え

台湾陸軍は2024~2026年の間に、新台湾ドルで約10億2960万台湾ドル(約47億円)をかけて、米国からM67破片手榴弾を購入する予定だ。

専門家は、新兵が実弾を使って手榴弾を投げる訓練が必要であり、これは戦争の備えとしての訓練を強化するのに役立つと指摘している。

台湾国防部の7日の定例記者会見で、陸軍司令部参謀長の陳建義中将は、来年からの兵役志願者および義務兵役に服する国民について、新兵の訓練期間中、基本的な動作、手榴弾の原理、安全規定などから教育を始め、実弾での手榴弾投擲訓練を段階的に実施すると述べた。

中国は台湾を武力で統一する選択肢を放棄していない。それを受け、台湾は来年から兵役義務を1年に延長する。

台湾の海軍陸戦隊の元教官である彭杰シン氏はエポックタイムズの取材に応じ、​​台湾が米国から武器を購入するたびに、「中国共産党(中共)を挑発している」と非難する声が上がっていると指摘した。

同氏によると、中共は台湾を統一したいと考えており、継続的に台湾に対して認知戦を発動し「対米懐疑論」を広めている。

また同氏は、台湾軍は2300万人の市民を守るために、国防力を強化する必要があるのは当然だとし、さらに全国民も「抗中・保台(大陸中国に対抗し、台湾を支持する)」の意志を示すべきだとし、もし台湾海峡で戦争が起こった場合、民主主義国家の同盟は台湾を支援すると述べた。

なぜM67破片手榴弾を大量に購入したのかについて、民進党の王定宇・立法委員は4つの理由があるとまとめた。

第一に、装備の近代化を向上させるためには、陸軍歩兵が使用する個人装備や弾薬も非常に重要である。今回購入する手榴弾は最新型で、信頼性、安定性、品質が高い。これは、台湾の現在の弾薬の品質を更新するのに役立つ。

第二に、台湾の手榴弾はそろそろ使用期限をすぎるため、元々のスケジュール通りに更新・交換を行う。

第三に、職業軍人にせよ義務役の兵士にせよ、現在は実戦型、即ち米国式、NATO式の新しい訓練方法を採用しているため、相当な量の弾薬を使用することになる。

第四に、露ウクライナ戦争から見れば、実戦では弾薬の消耗が非常に早いことがわかった。

王定宇氏は、今回台湾軍が予算を組んで米軍の最新型手榴弾を購入する理由は、特定の弾薬の在庫を増やすことだとしている。

また台湾の手榴弾追加購入は、両岸で危機が勃発する可能性を示唆しているとの見方もある。王氏は「責任は中共にある」と反論した。軍隊を動員し、台湾やインド太平洋地域の平和を脅かしているのは中共である。

王氏は、台湾は自分たちの故郷を守るために、装備を更新し、訓練を強化している。これらの行動はただ国を守り、敵の不当な行動を抑止するためのもので、地域の平和と安定に寄与していると述べた。

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