(Philippe Lopez/AFP/Getty Images)

香港版国安法の強行後、香港離れが進む 住宅価格も 9か月連続で下落

かつて世界で最も住宅価格が高かった香港だが、現在は9か月連続で住宅価格が下落し、2016年10月以来の最低点を更新している。

香港政府は最近、全ての住宅市場調整政策の撤廃を発表した。しかし、専門家は香港政府の措置が住宅価格の下落を止めることは難しいと考えている。

物件(不動産)の価値を評価する香港特別行政区政府差餉物業評価署(RVD)が2月27日に発表したデータによれば、今年1月の住宅販売価格指数は306.4に落ち込み、2016年10月以来の最低値を記録した。月間の下落率は約1.6%に拡大し、年間では9.4%以上に拡大し、11か月ぶりの最大の落ち込みとなった。

2016年10月以来、香港の住宅販売価格指数は、2021年9月に最高点398.1に達していたが、2024年1月の現在、香港の住宅販売価格指数は9か月連続で下降している。

この状況下で、2月28日に香港特別行政区政府の財政司(日本で言う財務省)は、2024/2025財政年度の予算案を発表し、全ての住宅市場の「厳しい措置」を撤廃すると宣言した。これにより、すべての住宅物件の取引には、追加の印紙税、買主印紙税、新住宅印紙税を支払う必要がなくなった。

香港「経済日報」によると、香港の不動産業者ナイトフランク( Knight Frank)のコンサルティング部門の主管である王兆麒氏は、香港政府の予算案の内容に関わらず、香港の住宅価格の下落を止めることは難しいと考えている。

彼は、高い利息率、購買力の不足、新築住宅の供給過多などの要因が住宅価格の継続的な下落を引き起こしていると指摘している。上半期にはさらに3~5%の下落が見込まれ、下半期には若干回復するものの、年間では5%以内の下落にとどまると予測している。

かつて、香港は世界で最も住宅価格が高い都市であった。しかし、2022年から、香港の住宅価格は急落し、香港の公式データによれば、2022年の個人住宅価格は15.6%大幅に下落し、成約数は40%減少した。

中国共産党(中共)が香港で香港版国家安全法を強行した後、香港の司法の独立や報道の自由などが著しく打撃を受け、数百人の民主活動家が投獄され、数万人の市民が香港を離れる選択をした。

英国の専門的な人材募集コンサルティング会社ロバート・ウォルターズ(Robert Walters)が昨年末に発表した調査によれば、香港の専門職の半数以上の人が香港を離れる計画を持っており、その中で51%が27~42歳の間、38%が43~58歳の間の年齢層に分布している。

国際金融機関が発表した「海外留学計画調査」によれば、香港のほぼ7割の親が、子供が海外で中学または高校に進学することを望んでいる。

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