20年前のベストセラーから学ぶ!今でも使えるお金を節約する秘訣

生活費が上昇し、経済が不安定な時代には、伝統的な美徳である質素倹約がより必要とされます。質素倹約といえば、エイミー・ダシツィン(Amy Dacyczyn)という名前が特に注目されます。

ダシツィンさんは母親で、収支のバランスを保つために質素倹約の習慣を身につけ始めました。思いがけないことに、彼女の倹約の習慣から奇跡が生まれました。それが、あの有名なベストセラー『タイトワッド・ガゼット』(Tightwad Gazette)です。

1990年から1996年にかけて、ダシツィンさんの『タイトワッド・ガゼット』は、実用的で実行可能な節約のヒントを提供していました。彼女の節約に関する出版物は、できるだけお金を節約したい人にとって欠かせない情報となりました。

彼女の節約に関する出版物はすぐに人気を博し、「ダシツィンの知恵」はシリーズ本として出版され、『タイトワッド・ガゼット』第1巻から第3巻としてまとめられました。1998年には彼女の節約に関する発言をまとめた『The Complete Tightwad Gazette』を出版しました。実用的なアドバイス、ユーモアのある逸話、そして節約を豊かさと捉える彼女の考え方は、あらゆる年齢層の読者を魅了しました。

『タイトワッド・ガゼット』の全盛期から数十年が経った今でも、その影響力は衰えていません。節約に対する揺るぎない信念を持つエイミー・ダシツィンさんは、多くの人々に、お金、消費、幸福との関係を見直すきっかけを与えてきました。贅沢と即時満足の時代に生きる私たちにとっても、彼女が伝えるメッセージは、今なお意義があります。真の豊かさは私たちの生き方から生まれるのであって、所有物からではないのです。

彼女のアドバイスの中には極端に思えるものや時代遅れに感じられるものもありますが、賢明な支出と規律ある消費の原則は、現代においても価値があります。以下は、『タイトワッド・ガゼット』から、現代の生活にも応用できる重要なポイントを抜粋したものです。

1. 財務的な余裕を作る

「財務的な余裕」は安全網と考えることができます。基本的な考え方は「貯蓄口座に一定額を確保」しておくことです。この余裕があれば、予期せぬ出費のために緊急資金を使ったり、借金に頼ったりする必要がなくなります。

どの程度の「余裕」が必要かは、あなたのニーズと妥当だと考える金額によって異なります。この安全網にはクレジットカードや借金は含まれません。

2. 小銭の力を侮らない

私たちはしばしば小さな金額を無視し、大きな金額を追い求めがちです。年間200ドルの一時金を受け取るのは素晴らしく聞こえます。しかし、毎日20セント節約できる方法を3つあげると言われても、それほど魅力的には聞こえないかもしれません。

実際、小銭は増えても減っても積み重なります。例えば、毎日3ドルのコーヒー代を節約すれば、年間で1千ドル以上になります!

自分でボタンを縫えば、節約になるだけでなく、自給自足にもなります(Shutterstock)

 

3. 自分でやる

ダシツィンさんは読者に、衣服の修繕、パン作り、掃除用具の製作など、通常は外注する作業を自分でやることで、自給自足を学ぶよう勧めています。これにより、お金を節約するだけでなく、自立する能力も養われ、より大きな達成感を得ることができます。

全てを自分でやる時間や意欲がなくても、小さなことから始められます。「裁縫を学んだり」、「小型家電を修理したり」、「自宅で料理をする機会を増やしたり」する価値は十分にあります。

4. 便利さと費用対効果

便利さは魅力的ですが、それには代償が伴います。長期的に見れば、便利さのために支払う代価が時間とお金の節約につながるかどうかが重要です。そのため、自分でお弁当を作ったり、コーヒーを入れたり、休日の装飾を自分で行ったりするなどの代替案を検討する価値があります。

直前まで急いで買い物をしたくない場合は、必ず事前に計画を立ててください。

5. 自制心を持って過ごす

ダシツィンさんは、「衝動買いを避け、何を買うかを賢く決断することが重要」だとアドバイスしています。新しいものを買う前に、中古品を買うか、友人から借りるか、あるいは全く買わないという選択肢を検討してください。

デジタル時代には、「オンラインショッピングの誘惑」に特に注意が必要です。マーケティングメールの配信を停止したり、衝動買いを誘発するソーシャルメディアの広告を避けたり、ブラウザの拡張機能を使ってオンラインショップでの購入をブロックしたりするなど、できることはたくさんあります。

6. 節約を収入と考える

ガソリンスタンドが2つあり、1つは1ガロン(約3.8リットル)あたり3.86ドル、数分離れたもう1つは1ガロンあたり3.76ドルだとします。価格差は些細に思えるかもしれませんが、安い方のスタンドに行くために時間をかけて運転距離が長くなれば、実際には節約になりません。

このような視点で節約を見ると、考え方が大きく変わります。「長期的に見れば、小さな節約でも財務目標に大きく貢献」します。

お金を節約する方法の一つは、割引商品を買うことです(Shutterstock)

 

7. 節約の3原則

支出習慣を導く3つの基本原則があります:
・より安く買う:店舗ブランド品の購入、割引の利用、まとめ買いを検討してください。
・物を長持ちさせる:適切なメンテナンスをすれば、物は長持ちします。
・使用量を減らす:可能な限り、製品の使用量を推奨量より少なくし、無駄を省きましょう。

 

8. 外食より自炊の方が経済的

頻繁なテイクアウトや外食は便利かもしれませんが、健康と財布に影響します。自宅で料理をすれば、食材、量、全体的なコストをより効果的にコントロールできます。

レシピをアレンジして、「1週間分の『定番料理』を用意しておけば、自炊がより簡単で楽しくなります」。例えば、スパゲッティとミートボール、チキンパルメザン、ラザニアに使うトマトソースは同じです。

他にも様々な使い方があります。夏には缶詰の代わりに庭で採れた新鮮なトマトを使います。ほうれん草、マッシュルーム、エビ、生クリームを加えてもおいしいです。

9. 娯楽でも節約を

無料または低価格の娯楽に加えて、ダシツィンさんは「図書館に行く、自然を探索する、地域のイベントに参加する」ことを提案しています。彼女の提案の中には、ストリーミングメディアサービス(インターネットを介した動画配信や音楽配信に用いられる配信方式)が普及した現代では古風に感じられるものもあるかもしれませんが、創造性を発揮して手頃な価格で楽しむことが今でも正しい方法だと彼女は強調しています。

また、無料の博物館の日を利用したり、地元のコンサートやフェスティバルに参加したり、高価なアトラクションに行く代わりに友人とゲーム大会を企画したりすることもできます。

10. 使用、再利用、リサイクル

『タイトワッド・ガゼット』は、どんなものにも第二の人生があると認識しています。つまり、「何かを捨てる前に、それが他の用途に使えないか」考えてみてください。
・「今あるものを最大限に活用」しましょう。残り物も捨てずに使い切り、身の回りのものは全て有効活用し、新しい服を急いで買わずに今ある服をできるだけ長く着ましょう。
・「再利用」しましょう。捨てる前に、別の使い道がないか考えてみましょう。枠にとらわれずに考えてみましょう! 古着、卵パック、パンの袋で他に何ができるでしょうか? オンラインでアイデアを探してみましょう。

これはお金の節約だけでなく、環境にも優しい方法です。

ダシツィンさんは次のように書いています。「ほとんどの製品は、環境に悪影響を与える方法で製造されています。悪いのは工場ではなく、製品を買う私たちなのです。ですから、何かを買う前に、本当にそれを買う必要があるのかどうか、よく考えるべきなのです」

11. 社会の消費主義を再考する

ダシツィンさんは、消費習慣に関する社会の考え方や行動について考えるよう読者に勧めています。物質的な豊かさを強調するのではなく、幸せの鍵は「経験と人間関係」にあると提唱しています。

今、ソーシャルメディアは贅沢な生活への憧れで溢れています。このようなメッセージがあなたの消費習慣にどのような影響を与えるか、意識する必要があります。他人と比べるのではなく、自分がすでに持っているものに感謝しましょう。

12. 量より質を重視する

耐久性があり、高品質な製品に投資することは、長期的にはお金の節約になります。よく作られたブランドの電化製品を買うと、初期費用は高くつくかもしれませんが、頻繁に買い替える必要のある安価な製品よりも長持ちします。

13. ノーと言う技術

私たちは皆、社会的な消費圧力にさらされています。子供の突然の食事の要求を断るにせよ、高価なパーティーへの参加を控えるにせよ、丁寧に「ノー」と言うことが大切です。

一般的に言って、「身の丈を超えた生活をするよりも、お金を貯めすぎる方がよい」のです。予想以上に節約できた場合は、いつでも予算を調整して、もっとお金を使ったり、ご褒美を増やしたりすることができます。

14.「もっと稼いで、より少なく貯める」という罠に陥らない

「もっと稼いで、より少なく貯める」という一方的なアプローチは、往々にして不健全です。なぜでしょうか? それは、収入が多い人ほど支出も多いからです。その結果、多くの家庭は収入に関係なく、やりくりに苦労しているようです。

つまり、収入が増えれば増えるほど、支出も増える傾向にあり、結局は給料をすべて使い切ってしまうサイクルに陥ってしまうのです。「収入のレベルに関係なく、健全な貯蓄習慣を身につけること」が肝要です。

15. 倹約は自分を粗末に扱うことではない

よくある誤解は、倹約とは卑しいこと、ケチなことだというものです。倹約の本当の意味は、「支出に慎重になり、賢明な金銭的判断を下す」ことです。倹約とは、物事に優先順位をつけ、それに資源を配分することです。

倹約には次のような利点があります:
・より経済的な自由:経済的自由があれば、夢を追いかけたり、旅行したり、その他の目標を達成することができます。
・早期退職:十分な貯蓄と投資をすれば、早期退職も可能です。
・ストレスの軽減:経済的負担が軽いということは、ストレスが少なく、安心感があるということでもあります。
・経済的な安定:しっかりとした経済基盤があれば、予期せぬ出費にも対応できます。

ダシツィンさんが書いているように、「あなたが実際に自分自身に損害を与えている唯一のことは、優先的に必要なものを買う余裕がないことです」。

 

『タイトワッド・ガゼット』の現代的解釈

オリジナルの『タイトワッド・ガゼット』はすでに絶版になっていますが、ダシツィンさんの文化的遺産は今もなおインスピレーションを与え続けています。絶賛されたベストセラー『The Complete Tightwad Gazette』は、経済的課題に直面する新しい世代に大きな影響を与え続けています。

『タイトワッド・ガゼット』は独断的な節約術の宣伝ではありません。その代わり、「支出に慎重になり、主導権を握り、物質的なものを超えた満足を得る」ための貴重なアドバイスが書かれています。より有意義な人生を送りたい人も、お金を節約したい人も、『タイトワッド・ガゼット』には経験する価値のある知恵があります。

原文「Exploring the Wisdom of the Tightwad Gazette」はDueブログサイトに掲載されました。

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